ニュース

GMノート [GMノート] 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #28 - ハドゥム=復讐のシルビア?明らかになる神々の秘密
黒い砂漠 2022-02-11 18:00
コメント 0

黒い砂漠ストーリーガイド - 一気に読む総まとめ 

※ 本ストーリーガイドは海外のサーバーで黒い砂漠を楽しんでいる冒険者様、「ユ・ジェウ」さんの経験を基にご本人がご自身で作成した投稿であり、原作者のご同意を得たうえで原本を翻訳した内容です。
原文:https://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=254658&site=black

ユ・ジェウ記者(Giirin@inven.co.kr)

 

 

※ 本ストーリー記事はシリーズで連載されます。

※ メインクエスト、NPCの会話、知識などを参照して作成しました。

※ 分岐とは、ゲーム内でユーザーが何を選択するかによってエピソードが変わる部分を指します。

※ 若干の脚色が含まれていますが、ゲーム内の設定およびコンセプトには支障ありません。

 

 

■ オーディリタPart 2 - 不均衡な宝石 


ツンクタ、タリバルの洞窟 

セペルのアヒブとアイネルの同盟 

 

トゥーロ族対抗者たちの側についた冒険者は、ノタンタの手助けをして変節したトゥーロ族たちを始末し、族長に抵抗する副族長カルテール・タンクタの意思を広く知らせた。しかし、セペルのアヒブたちに深く洗脳されたトゥーロ族は簡単には屈服しなかった。冒険者が持ってきたナクシオンの妙薬のおかげで力を回復させたトゥーロ族対抗者たちも、彼らより数ではるかに上回る変節したトゥーロ族を相手にすることはできなかった。 

 

このままでは八方塞がりだった。何か方法を見つけなければと考えた冒険者は、初めてオーディリタに足を踏み入れたときに立ち寄ったタリバルの洞窟を思い出した。あのとき、そこには確か…トゥーロ族らと、眩しい光の柱(オルゼカの光明石)があったではないか!セペルのアヒブたちがトゥーロ族の守る藍色の炎を消し、その光明石を使って洗脳させたのは明らかだった。まるでかつてオルゼカ人たちがオルン族を支配しようとしていたように。 

 

ハッと気づいた冒険者は、急いで馬を走らせタリバルの洞窟へと向かった。するとそこで、オルゼカの光明石の前で謎の魔力を吹き出している灰月の巫女、モンジュール・アイネルに出くわした。 

 

▲ モンジュール・アイネル 

 

「オルゼカの光明石に何をするつもりですか?」 

「この間も覗いていたような…。なんのことはない。ただ洞窟を照らしているだけよ。何をそんなに疑わしい目で見ているの?あら?以前とは、目つきが違うようだけど?鈍感だと思っていたのに、何かに気づいたみたいね?この地がどうして割れているのか分かったのなら、この先どう行動するべきか、慎重に考えるべきよ!まもなく黎明は消え、森は灰と化すはずだから。これ以上干渉しなければ、新たに昇る月に忠誠を尽くすものとみなしましょう」 

 

モンジュール・アイネルはそう言うと、クスクスと気味悪く笑った。見ると、彼女が手にしている赤い魔力は、かつてアタラクシアを堕落者にした赤い魔力と同じものだった。 

 

「…アタラクシア?知らない、誰?ああ、思い出した。あの、肥溜めに落ちた三流のダークナイトね?まったく、間抜けなんだから…。どこを見て歩いてるんだか。いつも目障りだったから、見事に罠にかかってくれていい気味だわ。私たちがあなたに付きまとう蝿を代わりに処理してやったのよ。感謝しなさい」 

 

冒険者は自らの顔がこわばっていくのを感じた。だが、セペルのアヒブにとって主要拠点であるタリバルで武力を行使するわけにはいかなかった。一方、冒険者とモンジュールの会話を注意深く見守っていたデシア・モルダは、冒険者に「最後のチャンスだ」と言った。新たに浮かび上がった黒い月に慈悲はないだろうと…。 

 

そのときだった。ふと冒険者の目に、タリバルの洞窟で苦しみながら洗脳されるトゥーロ族の姿が飛び込んできた。彼らの表情からは、一抹の希望すらない奈落、迫り来る絶望が見て取れた。するとデシア・モルダは冒険者に最後の警告をささやいた。「これ以上は邪魔をしないこと。でなければ、死が待つのみ」 


▲ モンジュール・アイネルの赤い魔力は、アタラクシアを堕落者にした元凶だった。 

 

冒険者は慌ててタリバルの洞窟から抜け出した。かつてサイゴードを打ち破り、セペルに認められた冒険者だったからよかったものの、普通の人間であればとうに命を落としていたはずだ。冒険者はその足でツンクタへ戻り、トゥーロ族の副族長カルテール・タンクタに全てを打ち明けた。セペルのアヒブがトゥーロ族を屈服させて偽りの啓示を下すことができた力は、まさにオルゼカの光明石と前代のカーマスリビアの女王の残存する勢力から出たのだということを。 

 

オーディリタに堕落者が出現したのも、トゥーロ族たちが洗脳されたのも、アタラクシアが死を迎えたのも、全てセペルのアヒブとアイネルの仕業だった。さらに今この瞬間も絶えず罪のない人々がオルゼカの光明石の力を引き出すための生贄となり、いばらの城へ連れ去られている。このままではセペルのアヒブの力はますます強大化し、オーディリタの女王も冒険者も、最後は屈服するしかなくなるだろう。 

 

カルテール・タンクタは、もうトゥーロ族に未来はないと感じた。こうなったら、なんとかして族長を処断するしかなかった。全トゥーロ族の肉体と魂はツンタの種を抱いた族長に支配されているため、彼を処断しなければ種を足枷から解放することはできないからだ。もちろんツンタの種が次期族長を選択するまで大変な混乱が起こるだろうが…。 

 

しかし、トゥーロ族の族長はセペルのアヒブでなければ決して姿を現さないことが問題だった。族長なら必ず順応すべきツンクタの霊物、ツンクタの歌なら姿を現すに違いなかったが、ツンクタの歌はかつて族長が忠誠を誓う証として、セペルのアヒブに捧げられた状態だった。 

 

▲ 副族長カルテール・タンクタは、変節した族長を遮断することを心に決めた。 

 

いばらの森 

セペルの真実 

 

それはすなわち、冒険者が再びセペルのアヒブに会ってツンクタの歌を盗まなければならないという意味だった。ようやくタリバルの洞窟を抜け出したのに、また彼らの拠点に戻らなければならないとは。冒険者は、冷や汗が背中を伝うのを感じた。 

 

だが、一つだけ方法があった。それはまさに、オペンシラに会うことだった。彼女は冒険者にカプラスの偽書を渡した危険な人物だったが、以前オーウェンと親交があったことを口実に近づけば勝算はあるかもしれなかった。 

 

こうして冒険者はいばらの森の拠点を守っているオペンシラを訪ねて挨拶をした。まるで何事もなかったかのように、そして依然としてセペルの英雄として彼女に会いにきたかのように。 

 

「セペル様が苦労して育てた森を駄目にしておいて、よく顔を出せたものだ…。オーウェンとの縁を口実に尻尾を振って何を得ようと?私が予想を外すことはあまりないが、興味深い。カプラスという甘い誘惑に打ち勝ち、詐欺師の女王の祝福を受けたという事実を知らないとでも思ったのか?よくもまあ、そんな純真な顔をしてのこのことやって来れたものだ…」 

 

なんてことだ。オペンシラは全てお見通しだった。ここに来たことは間違いだったと確信した冒険者は、慌てて周囲を見回した。今にも飛びかかってきそうなサルンクマと鋭い剣で武装したセペルのアヒブたち。ここで、こんな形で死を迎えることになるのだろうか。 

 

「しかし、あなたがその命を失わずに済んでいるのは、カーマスリビアの英雄であるからに他ならない。乱世に華咲く英雄は、いつの世も歓迎されるものであり、揺るぎない権力さえも打ち崩し、新しい歴史を刻む唯一の者」 

 

オペンシラは指を上げて周囲の警戒を緩め、ニヤリと笑った。冒険者は一体何が起こっているのか戸惑うばかりだった。するとオペンシラは突然、かつてオーウェンをオーディリタへ導き生かしておいたこと、キエナをサルンの境界に送ったのは本物のカプラスの日誌を盗んだ犯人を捜すためだったことを告白した。少し前まで、その犯人をカーマスリビアの英雄である冒険者だと錯覚していたというのだ。 

 

そしてオペンシラは冒険者をセペル司令官、アリエンにのもとへ連れていき、「真実」を聞かせた。彼女の話が事実であれば、今こそ「昨日の敵が今日の友」になる最後のチャンスだった。 

 

▲ オペンシラは全てを知っていた。 

 

「あなたは我々のことを、ただ強大な力に酔いしれて世の中の全てを燃やす狂人だと思っているのだろう。だが…カーマスリビアとオーディリタ、全てを欺いた二人の女王の話を聞いても、同じ考えでいられるだろうか?」 

 

セペル司令官アリエンは、ゆっくりと口を開いた。彼女はセペルのアヒブたちが女王に反旗を翻し、オドラクシアを灰にした理由はただトゥラシルのためではないと言った。彼女は卑劣なウィオレンティアがガネルの女王と結託して全ての姉妹を欺いたためだと述べ、そのとき感じた無情な裏切りと屈辱が、彼らが女王に背を向ける要因になったのだと主張した。 

セペルの立場 

かつてベディル(アヒブ)がガネルによってカーマスリビアから追い出されたとき、アヒブは無慈悲なガネルの横暴と虐殺に歯ぎしりした。だが、一つだけ収穫があった。賢明なウィオレンティア・オウダーが、その後に備えて姉妹であるブロリナを拉致したのだ。 

 

その後、ウィオレンティア・オウダーはその賢明さと功労を認められ、オーディリタの女王となり、全てのアヒブは彼女に忠誠を誓った。ウィオレンティア・オウダーはブロリナが持つ太陽の力を利用して堕落者となった姉妹たちを取り戻そうとしたが、そのせいでブロリナは次第に疲弊していき、日が経つにつれやつれていった。アヒブたちはそんなブロリナの姿を見て、ガネルに対する憎悪を募らせますます彼女を圧迫した。 

 

そんなある日、女王のいばらの密室で、衝撃的な場面が目撃された。ウィオレンティア・オウダー女王がアヒブらに石を投げられ怪我をしたブロリナを治療し、彼女に乾いた大地の地図を描いてやったのだ。さらにウィオレンティアは「カーマスリブを燃やせ」というジョシュア・オウダーの意思に逆らい、むしろその光を起こさなければならないとし、ブロリナをオーディリタから脱出させた。この一件を目撃したセペルとその追従者たちは裏切られたと感じ、反乱を起こした。 

 

セペルにとってカーマスリビアとオーディリタの二人の女王は、この世界をハドゥムの手に引き渡そうとする逆賊だった。その後、セペルは手段と方法を選ばず、ハドゥムとの戦争で勝利を収めるために奔走した。そうして彼らは堕落者になってまでトゥラシルの力を引き出し、人間を服従させた。たとえこの世で一番の悪者という烙印を押されても、世界を救うために闇の中でもしっかりと準備をしていたのだった。 

 

彼らの最終的な目標は、ハドゥムを打ち破り、この世界を滅ぼすため闇の扉を開いた二人の女王を失脚させること。そしてアイネルと共に政権を奪還し、生き残った世界を守り続けることだった。 

▲ セペルの司令官、アリエン。いばらの密室事件はセペルにとって残酷な裏切りとなった。 

 

ここまで話し終えたアリエンは、冒険者に赤い玉果を一つ差し出した。彼女はこれから冒険者がセペルの側に立つのなら、堕落者たちからトゥラシルの力を抽出して作ったこの玉果をいつでも冒険者に取らせてやろうと約束した。 

 

一方、アリエンから真実を聞かされた冒険者は動揺を隠せなかった。以前カルフェオンの裏通りに流れていた噂話が冒険者の脳裏をよぎった。「とんでもない嘘つきが二人いる。カルフェオンの貴族とシルビアの娘たち、中でも一番の嘘つきは女王だ」。あの話が真実だったとは。セペルが言っていた通り、女王はカーマスリブを通じてハドゥムを呼び起こそうとしているのだろうか? 

 

冒険者は手を震わせながらアリエンから渡された玉果を一口かじった。すると妙な食感と共に体中に力が漲っていくのを感じた。突然浮き立った冒険者は、その力をいばらの森の堕落者たちに試してみようとした。すると、あの強力な堕落者たちでさえ冒険者の振り回す剣に太刀打ちすらできず倒れていく姿を目の当たりにし、冒険者は喜びを隠すことができなかった。 

 

ところがセペルからの贈り物はこれだけではなかった。オペンシラはさらに強力な玉果を冒険者に渡すと、その力を試してみようと言った。冒険者がその玉果にかじりつくと、今度は制御できないほどの力を感じた。暴走する力だけでなく、体が羽のように軽くなり、もっと玉果を味わいたいという抑えきれない衝動が湧いてきた。堕落者たちは、もはや冒険者に指一本触れることすらできなかった。闇の精霊でさえその力に酔い、全ての渇望が解消されると言いながら踊り狂うほどだった。 

 

そうして冒険者がこの制御できないほどの力で堕落者を虐殺したとき、オペンシラは冒険者に最後の玉果を手渡した。その玉果は、苦悩が眠る墓の地下にいる最初の脱落者たちを相手にできるほど強力な玉果だった。冒険者は彼女に感謝を述べると玉果を受け取った。その力を味わった冒険者は、今すぐにでもセペルに服従するため駆けつけたい衝動に駆られていた。 

 

▲ アリエンとオペンシラに渡された玉果の効果はとてつもなかった 

 

「うっ…!」 

「どどうした…?おい、しっかりしろ!」 

 

最後の玉果を噛んだ冒険者の体がふらついた。視界がぼやけ、立っていることすらままならなかった。玉果を渡したオペンシラはいつのまにか姿を消していた。慌てた闇の精霊は死にそうな冒険者を見て、その周りを縦横無尽に飛び回った。オペンシラから渡された玉果には毒が入っていたのだ。 

 

闇の精霊はその周辺で禍から守る魔力が宿った藍色の炎を発見した。何がなにやらわからないまま冒険者がふらつきつつも必死に藍色の炎へと近づくと、藍色の炎の暖かい力が冒険者を飲み込んでいった。するとしばらくして、冒険者は息を切らせながら地面に倒れている自分自身に気がついた。 

 

またしてもセペルに騙されたことに気づいた冒険者は、全身の土を払い落として立ち上がった。横からは闇の精霊の責めるような声が聞こえてきた。さっきまで力が漲ると喜んでいたくせに!冒険者と闇の精霊がヒソヒソ話をしていると、ふと目の前の洞窟から怪しい泣き声が聞こえてきた。 

 

▲ また騙されたのか!? 

 

▲ 冒険者を救った藍色の炎と目の前に広がる怪しい洞窟 

 

いばらの森 

キャサリン・オーネット、オドラ、そしてツンクタの歌 

 

冒険者は剣を抜き、慎重に洞窟近づいた。玉果をかじったときのように力が湧き上がることはなかったが、藍色の炎の解毒力のおかげである程度は耐えることができた。その洞窟の中には巨大な石棺が二つあり、その前で一人のアヒブが歌を歌っていた。 

 

「燃やす月の影よ…。二人の亡霊が守ってきた藍色の炎でなければ、セペルにまた騙されて命を落とすところでした」 

 

自らを「ヴェルティ亡霊術師、チデル・マヤ」と名乗った彼女は、女王陛下の命を受け長い間ここで亡霊の歌を歌っているのだと言った。彼女は前に置かれた二つの石棺を指さし、本来亡霊に出会うのは難しいことだが、今日なら可能だろうと言った。冒険者が最初の堕落者ラズナールを倒したのち、彼らを脅かす闇が消えただけでなく、彼らを呼び出す暖かい月も満開になったからだ。 

 

チデル・マヤの話が終わると、オドラの楽器精霊が冒険者の背後に現れた。チデル・マヤはそのうっとりするような光景にあんぐりと口を開けている冒険者の姿を見て、楽器精霊は草カブトムシが夜明けに咲かせる水滴花が好きなのだと付け加えた。冒険者は軽く彼女に会釈をし、楽器精霊が案内する道に沿ってそっと一歩を踏み出した。 

 

▲ チデル・マヤと二つの石棺 

 

▲ 冒険者に道案内をする楽器精霊たち 

 

楽器精霊たちに導かれた先には驚くことに最初にカーマスリブを燃やしたことで知られているベディルの首長、ジョシュア・オウダーの棺があった。堕落者たちによって壊されてしまった多くの棺と違い、ジョシュア・オウダーの棺にはあちこちにベディルが管理していた痕跡が残されており、その横には巨大な二人の楽器精霊がふわふわと浮かんでいた。 

 

冒険者は亡霊術師チデル・マヤの言葉を思い出し、周囲で水滴花を折って揺らした。すると二人の楽器精霊の姿が魂へと変わった。二つの魂は、まるで決して一緒にいることができないながらも世界の均衡を成している太陽と月のようだった。その魂の正体は、イアナロスの野でアヒブに殺されたとされるオーネット家の三番目の姫キャサリンと、最初に新しい神木を主張して殺されたベディルのオドラだった。 

 

「私、楽器精霊に変わっているとき、どれくらい大きかった?母に心を込めて祈りを捧げれば、どんどん大きくなるって…。とにかく、思ったより寂しくないよ。こんなに大勢の姉妹が一緒に歌を歌うんだから。この地の全ての楽器精霊たち…。あの子たちは、先に母の懐に抱かれた姉妹たちなの」 

 

キャサリン・オーネットの澄んだ声が響くと、冒険者は瞬間的に込み上げる感情をぐっと飲み込んだ。かつて冒険者がカーマスリブの光を取り戻せるように導いたキャサリン・オーネットの日誌。誰より美しく優しい心を持った姫であり、無念の死を遂げたその日誌の主人と初めて対面したわけだ。 

 

▲ ジョシュア・オウダーの棺の前にいた楽器精霊の正体は、キャサリン・オーネットとオドラだった。 

キャサリン・オーネット、彼女の死を巡る実情 

キャサリン・オーネットは、カーマスリブを蘇らせる方法が幼いオーウェンにあると考えた。そしてキャサリンはオーウェンと親しくなったが、どうしても自分の手で彼女を母の祭壇に捧げるための生贄にすることはできなかった。結局、彼女は自身の罪を告白するために母のもう一つの場所であるイアナロスの野を訪ね、その日アヒブの仮面を被ったアメリア・オーネット女王の精鋭軍アイネルに攻撃された。 

 

ブロリナとウィオレンティアがキャサリンを助けるため駆けつけたが、すでに手遅れだった。アイネルはそんなブロリナとウィオレンティアまで手にかけようとし、結局二人の女王はキャサリン・オーネットと共にオーディリタへ逃げた。しかしキャサリンは首都に到着することなく、ついにいばらの森で最後の言葉を残して息を引き取った。アメリア・オーネットがカーマスリブの光を消滅させるだろう、と。 

 

 

ブロリナの拉致、オドラの死を巡る実情 

アメリアはいつもそうだった。ブロリナはウィオレンティアに誘拐されたのではなく、ガネルたちがアヒブに濡れ衣を着せたのだった。また、母の啓示を受けて最初に新たな神木を主張したベディル、オドラもまた濡れ衣を着せられた犠牲者だった。 

 

アメリアは新たな神木を作る作業にガネルたちの血が必要だという嘘の噂を流した。そうしてガネルの支持を得た女王は、精鋭軍アイネルを前面に押し出しオドラを捕まえようとした。しかしオドラはポリの森へと姿を隠し、トゥースフェアリーに助けを求めようとしたところ、結局アイネルの矢に打たれ命を落とした。 

 

当時、アイネルたちは死にゆくオドラに笑いながらこう言った。「新たな太陽の肥やしとなってくれて、感謝する」と。それは、彼らがガネルとベディルの首長を毒殺したという濡れ衣を着せられたポリを殺しながら言ったセリフと同じものだった。 

 

 

オリアナ・オーネットとジョシュア・オウダー、二人の首長の毒殺を巡る実情 

キャサリン・オーネットとオドラは、当時ガネルとベディルの二人の首長を毒殺した犯人もアメリア・オーネットだと主張していた。特にベディルの首長ジョシュア・オウダーは、その後カーマスリブを燃やしたという不名誉を着せられたが、実は毎日カーマスリブの白い枝を抱いては口づけをするほどカーマスリブを大切にしている人物だった。 

 

ところがある日、その根を這ってきた気味の悪い蛇を見たジョシュア・オウダーは、幻惑のささやきを聞いた。その蛇は全てを燃やさなければならないというベディルの天性のため、常に節制して生きてきたジョシュアの深い内面にある欲望に触れた。そして、近いうちに根の向こうに隠された月の子どもたちが共にするだろうとささやいたが、ジョシュアはこれを疑い蛇を追い払った。彼女は暗黒の精霊が襲ってきた日、直感で蛇が這い上がってきたカーマスリブを燃やした。蛇がささやいた「月の子どもたち」がまさにその暗黒の精霊であると気づいたからだ。 

 

 

カーマスリブの正体 

カーマスリブは「この世」と「あの世」を繋ぐ通路であり、あの世の闇と接触できる唯一の光だ。つまり、闇を引き込む灯台として破壊しなければならない木でありながら、闇に立ち向かうために必要な光という矛盾した性格を持ち合わせている。 

 

ハドゥムが暗黒の精霊を利用して姿を現すと、ベディルの首長はその通路を燃やしてこれを防いだ。しかし、彼らはすぐにカプラスというルトラゴンと、彼に追従する人間たちによってすでに闇が別の場所で芽吹いたという事実を、オーウェンが持ってきたカプラスの日誌を通じて知ることになる。手遅れになる前にもう一度カーマスリブの光を取り戻さなければならないということも。 

 

 

ブロリナとウィオレンティアの秘密任務 

ブロリナとウィオレンティアはガネルとベディルの二人の首長、オリアナ・オーネットとジョシュア・オウダーが毒殺されたあと、秘密任務を遂行した。最も完璧な調和を成す太陽と月にだけ授けられた古代精霊たちのささやきにより、二人はジョシュア・オウダーが逃したハドゥムの蛇、イベドルを探して殺すことを引き受けた。 

 

二人はアメリアの息の詰まるような政治のもとで静かに、そして目立たないよう最善を尽くした。おそらくアメリアがいなかったら、ブロリナとウィオレンティアはカーマスリブの光を取り戻し、皆の前で芽生えた闇がこれ以上大きくならないように、一緒にカーマスリビアの外へ遠征に出ただろう。 

 

もちろん今になって思えば、アメリアの暴政も母の試験だったのかもしれない。もしキャサリン・オーネットが彼女の矢に当たってイアナロスで血を流さなかったら、カーマスリブの光はなかっただろう。一方、アメリアはキャサリンの死とブロリナの逃亡をアヒブの暗殺と拉致に仕立てると、深い眠りについた。 

 

 

アメリアの堕落 

実は、アメリアはガネルの女王であるだけに、カーマスリブを蘇らせることが理想だった。実際にベディルを弾圧した一番の理由も、彼らがカーマスリブを燃やした者たちだったためだ。しかし、彼女はなぜカーマスリブを取り戻そうとするキャサリンを殺し、あらゆる濡れ衣を着せ、姫たちを追い出したのだろうか? 

 

オドラはその理由を楽器精霊に転生してから、ここオーディリタで見つけた。楽器精霊になった彼女はある日、アイネルの首長「ラ・オデル」の影が森を通り過ぎるのを見た。ブロリナを暗殺しに来たに違いなかった。ラ・オデルは、こう呟いていたという。「あの世に捨てられた母の楽園を呼び戻さなければ」。そのときオドラは、以前ジョシュアがよく言っていた事を思い出した。蛇がささやいてくれた母の楽園がこの地に降臨する日、美しい森は地獄に変わるだろうと。 

 

すなわち、ジョシュア・オウダーは蛇の誘惑を退けたが、逆にアメリアは幻惑されたのだ。これはセペルも同様だった。ハドゥムを倒すためには手段を選ばないというのは、実は全てハドゥムを呼び出すためのものだった。アイネルとセペルがかつてのわだかまりを全て無視して手を組んだのも、ハドゥムという共通の目標があったからだ。 

キャサリン・オーネットとオドラから真実を知らされた冒険者は、彼女たちが案内するセペルの秘密祭壇を訪れた。そこにはハドゥムの蛇、イベドルに仕えるセペルの誓いが書かれていた。 

 

イベドルに仕えたセペルの秘密祭壇 

セペルの秘密祭壇 

燦爛たる月と慈愛に満ちた母の直系子孫であり、神木の最後の救援者、真のアヒブの主、神聖なオーディリタの女王の最もふさわしい継承者として、母が真実の蛇を私に与え認めてくださったため、私、セペルがここに立って告げよう。 

 

今から私は、セペル・オウダーである。カーマスリビアと手を組んで姉妹の姿を消そうとするウィオレンティア・オウダーをいばらの花の玉座から引きずり下ろし、邪悪なガネルたちと不浄の神に仕える愚かな人間たちに必ずその罪を償わせるだろう。不浄の神をブラックスターに閉じ込め、お疲れであろう母にこの世界の光を贈り、かつての栄光を取り戻すことで皆は跪くことになるだろう。 

真実の蛇イベドルが神聖で至高な誓いの証人であり、母の黒い太陽が浮かび上がった日、ようやく復讐が実現し、皆が私に跪くことになるだろう。 

 

冒険者は彼女の誓いの最後に、彼女が赤黒い血で床に描いた幻想が揺らめくのを見た。その光景は、この世のものではなかった。それは世界を飲み込むかのような強烈な光に晒された、あの世の姿だった。 

 

カーマスリブからは血が滴り落ちた。そしてその血が溜まって泉ができたとき、カーマスリブは痩せこけ息絶えた。しかし、その泉でカーマスリブの種が再び頭をもたげた。オオカミたちが命がけで滅亡の光から泉に咲いた種を守り、ついにその種が芽を出した。それは女神シルビアのカーマスリブの葉にそっくりだったがどこか黒ずんでおり、滅亡の光を放つ不浄の神に宣言した。「復讐、そして絶望」を贈ると。 

 

その幻想から冒険者は絶望の神ハドゥムの正体を推測することができた。正体不明の不浄の神によってシルビアが追い出されたあと誕生した存在こそが、ハドゥムだった。ハドゥムがその後、不浄の神を殺してブラックスターに閉じ込めたのもそのためだ。つまり、ハドゥムは復讐のシルビアだったのだ。それは古代の石室で見たエダナの話と似ていた。二人のエダナがお互いを見つめ合いながら剣を抜いたというあの話だ。 

 

▲ ハドゥムとシルビアの関係を理解した冒険者 

 

とんでもない話を聞いた冒険者は、二人にツンクタの歌についても尋ねてみた。この伝説を知っているキャサリンとオドラなら、ツンクタの歌についても何か知っているはずだと思ったからだ。 

 

ツンクタの歌 

…誰も訪れない、この世から忘れられた地に、初めて足を踏み入れた哀れな少女よ。我は、この忘れられた地の始まりと終わりの中心まで、霧を取り払う涙の痕を追ってきた。長い時間、両手が棘のつるに絡まり、さぞかし痛かっただろう。お前が歩いてきた道に、干からびたいばらの木が芽吹いたのを知っているか?少女よ、お前の血の気のない唇にまで、いばらのつるが絡まっていたわけではないから、好きなだけ泣きなさい。 

 

心のこもった慰めの言葉にいばらの少女が涙を流すと、いばらの芽が時間に逆らい、晴れないはずだった霧を取り払いながら生い茂ってしまった。 

 

…少女よ、お前は全てのものを創造する、神秘的な才能を持っている。この世界から忘れられたこの地には、我よりもお前の方が必要なようだ。我はこの地を守る神の座から退き、お前の干からびた棘のある豊かな森となるから、どうかこれ以上泣かないで。我の巨大な蹄で大地を耕し、我の雄叫びで霧を取り払い、我の鋭い角を研いでお前を保護するための炎を焚く。だからお前は、これからいばらの女神となって、この地に訪れる人々を迎えるがいい。彼らに、お前の胸の奥深くから情を分け与え、誕生と関連した知識を歌うのだ。我は鬱蒼とした森となり、お前を守る炎を起こす。そしてこの地を訪れる者たちと一緒に新しい未来を咲かせるがいい。 

大地の神ツンタ 

ツンクタを創造した大地の神ツンタは、カーマスリビアのバルタラとオギエール、ナクのように、この地の唯一の古代精霊だ。本来、精霊の言葉を知らないセペルはこの歌を抱くことはできないが、闇の蛇に忠誠を誓った代価としてその力を手に入れ、ツンクタの歌を抱いた。 

 

セペルはツンクタの歌を堕落者で溢れかえるいばらの森に隠した。そうすれば、トゥーロ族の意志を奪いやすくなるからだ。そのためか、ツンクタの歌はそのどんな啓示よりも力強く歌っていた。絶対にこの森を離れてはならないと。何もなかった乾いた大地に咲かせた、この最初の森で。 

 

もしトゥーロ族がセペルについていばらの城に移せば、全て藍色の炎は消え、ウィオレンティアの光によって闇が押し寄せるだろう。 

キャサリン・オーネットはその胸の中から不思議に揺れるツンクタの歌を取り出した。そしてツンクタの歌を冒険者に渡すと、そっと人差し指を口に当てた。長い間、いばらの城に籠もっていたセペルは、彼らが歌を盗んだという事実を全く知らずにいた。 

 

冒険者はツンクタの歌を持ってトゥーロ族の副族長のもとへ戻ったが、ふとある疑問が浮かんだ。ツンクタの歌に出てくる、このオーディリタに位置するいばらの女神の正体は誰なのだろうか?オルゼカ人たちが仕えていた黒い女神だろうか?それとも、アヒブが主張する追放された母だろうか?もしかしたら、それは同一人物かもしれないし、そうでないかもしれなかった。 

 

▲ ツンクタの歌 


前回までの内容はこちら

▶黒い砂漠ストーリー #1 - 年代記・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #2 - 年代記・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #3 - バレノス地域へ

▶黒い砂漠ストーリー #4 - セレンディア地域・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #5 - セレンディア地域・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #6 - カルフェオン地域・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #7 - オージェの切ない恋の物語、カルフェオン分岐2編へ

▶黒い砂漠ストーリー #8 - 誰も信じられない権力の都市、カルフェオン分岐3編へ

▶黒い砂漠ストーリー #9 - 明かされる古代神とエリアン教の秘密、カルフェオン最終編

▶黒い砂漠ストーリー #10 - シラレの不吉な予言と疑念、メディアプロローグ編

▶黒い砂漠ストーリー #11 - イレズラの闇の痕跡を追って、メディア分岐 1編へ

▶黒い砂漠ストーリー #12 - 隠されたネルダ・シェンの内情、メディア分岐 2編へ

▶黒い砂漠ストーリー #13 - 冒険者の正体は闇の力の器?へ

▶黒い砂漠ストーリー #14 - 蛾は結局、明かりの方へ。避けられない運命に呼び寄せられ。へ

▶黒い砂漠ストーリー #15 - バレンシア建国の秘密、その中には冒険者がいたへ

▶黒い砂漠ストーリー #16 - 血と復讐のカーマスリビア、美しい顔の裏へ

▶黒い砂漠ストーリー #17 - キャサリン・オーネット、彼女は本当に美しい姫だったへ

黒い砂漠ストーリー #18 - ドベンクルンに影を落とす赤い影、ガーモスの登場へ

黒い砂漠ストーリー #19 - おさまった火種、しかし脅威は存在するへ

黒い砂漠ストーリー #20 - 事実、人間こそが最も恐ろしい生き物だ(星の墓場)へ

黒い砂漠ストーリー #21 - 輝くカーマスリブ、迫り来る闇(オーディリタ 1編)へ

黒い砂漠ストーリー #22 - グランディーハ神託の決定(オーディリタ 2編)

黒い砂漠ストーリー #23 - 全ては最初から計画されていたへ

黒い砂漠ストーリー #24 - 最期を見届けてくれて、ありがとう。へ

黒い砂漠ストーリー #25 - ベディルの過去とブロリナの足跡へ

黒い砂漠ストーリー #26 - ハドゥムに対抗する最初の準備、オルンの心臓へ

黒い砂漠ストーリー #27 - 母が黒い太陽を昇らせるでしょうへ

コメント 0
top