黒い砂漠ストーリーガイド - 一気に読む総まとめ
ユ・ジェウ記者(Giirin@inven.co.kr)
※ 本ストーリー記事はシリーズで連載されます。
※ メインクエスト、NPCの会話、知識などを参照して作成しました。
※ 分岐とは、ゲーム内でユーザーが何を選択するかによってエピソードが変わる部分を指します。
※ 若干の脚色が含まれていますが、ゲーム内の設定およびコンセプトには支障ありません。
■ ドリガン上編 - 赤い影
アヒブ紛争地域
アヒブの魔法を取り除きドリガンへの道を開く
神木のカーマスリブの光を取り戻した冒険者は、カーマスリビアの最高国賓となった。プライドが高かったグラナのガネルたちは冒険者を敬い、女王ブロリナは冒険者がカーマスリビアをどこでも自由に通行できるように許可を出した。閉鎖的なカーマスリビアで前例のないことが起こったのだ。
そんな平和な日々が続いていたある日、冒険者に一つの伝書が届いた。カーマスリビアの女王ブロリナ・オーネットからの手紙だった。頼みがあるので、神木の下で冒険者に会いたいという内容だった。短い手紙だったが、ただ事ではないと感じた冒険者は、すぐに首都グラナへ向かった。
ブロリナはカーマスリビアの東にあるドリガンという地区について語り始めた。かつてドラゴンの地とも呼ばれた、山の上に建国された国のことだ。ところが最近、ドラゴンが復活したという噂が聞こえてきたため、ブロリナは冒険者にそこに向かってほしいと言った。ドリガンの村長ドルゲフはブロリナの旧友だったからだ。
▲ ドリガンにドラゴンが現れたという知らせを聞いたブロリナは、冒険者を呼び出した。
しかし、問題があった。カーマスリビアからドリガンに通じる道は、アヒブと対峙している紛争地域だったのだ。そのため冒険者は、まず臨時警戒所の責任者であるセリナ・アエルに会うことにした。
アーチェル所属のガネルであるセリナは、冒険者に対して丁重に助けを求めた。粘り強い応戦の末、現在アヒブは退却した状態だったが、何かに取り憑かれたかのようなカルクが問題だった。カルクには奇妙な呪術が掛かっており、物理的な攻撃が全く通じなかった。むしろ、日が経つにつれて警戒所の被害が増えるだけだった。
セリナは冒険者に捜索者ティラを付け、カルクを調べさせた。ティラはロングリーフの木偵察警戒所からカーマスリブ寺院まで、多くの派遣任務を優秀に遂行してきたエリートだった。
▲ アヒブ紛争地域の臨時警戒所。コウモリのような姿をしたカルクと凄惨な戦闘の痕跡が見える。
▲ 奇妙な力に囲まれたカルクたち
ティラによると、カルクたちはカーマスリビアだけでなくドリガン地域も行き来しているという。これについて元老たちは、地政学的な要地だからと繰り返すだけで、疑問を解消することはできなかった。
そこでティラは、以前拘束していた一人のアヒブの捕虜を尋問することにした。俗にいう「良い警官・悪い警官」のような心理的作戦を使い、「良い警官」役に扮した冒険者はアヒブをうまく言いくるめ、いくつかの情報を聞き出すことに成功した。
そのアヒブの捕虜は「空間投影魔法」について口を割った。その魔法を使えば、ある物体の形状だけを取り出して特定の空間に投影できるが、その形状はいかなる攻撃も受けつけず、敵に対しては物理力を行使できるという。ただ、この魔法はかなりの精神力を消耗するため、詠唱者がこっそり影に隠れることが重要だった。
また、カルクたちがドリガンを行き来する理由は、アヒブたちもドラゴンが復活したという噂を耳にしたからだった。彼らはドラゴンの血を使って、自らの精神と身体を強化しようとしていたのだ。
▲ エリート捜索者、ティラ
▲ 閉じ込められているアヒブの捕虜冒険者。彼を丸め込んで情報を得ることに成功した。
カルクの秘密が空間投影魔法だったことを知ったティラは、とても喜んだ。ちょうど彼女は今の状況にぴったりの道具を持っていたのだ。それは、ついこの間メディアの魔女(イレズラ)を調べたときに手に入れた「シャドウリムーバースクロール」だった。ティラがスクロールを冒険者に使うと、冒険者はしばらくの間、影に隠れた者を探し出せるようになった。
スクロールの力を得た冒険者は、カルクたちが駐屯していた丘に登った。すると、そこに隠れてカルクの形状を作っている一人のアヒブを発見した。冒険者は躊躇なく彼の後頭部を殴った。すると同時にカルクの形状も消えた。
カルクが消えると臨時警戒所の雰囲気がいっそう明るくなり、冒険者も本格的なドリガンの旅に出ることができた。カーマスリブの光を取り戻した冒険者と時間を共に過ごしたティラは、名残惜しそうに別れの挨拶をすると去っていった。彼女はアヒブがドラゴンの血を狙っているという事実をグラナに知らせなければならなかったからだ。
▲ さっきまで見えなかったアヒブの詠唱者が姿を現したが、冒険者は詠唱者を制圧した。
ドベンクルン
レッドドラゴンガーモスに立ち向かうための準備をする
紛争地域を通り過ぎて道を上がっていくと、「マルチャー前線基地」が現れた。カーマスリビアとは全く違う様式の家や遊牧民から察するに、ここからがドリガンの地のようだった。冒険者は拠点管理者ラダルに会ったが、彼は最近になって増えてきた異邦人たちに頭を悩ませていた。冒険者ではなく、レッドドラゴンガーモスが復活したという知らせを聞いて、かなりの人が集まったようだった。
自らを「カルクハンター」と名乗ったラダルは、依頼を一つ提案した。最近カルクを探しに行った仲間たちの消息が絶たれたため、代わりに見てきてほしいというのだ。そして、もし依頼を解決してくれたら、素晴らしい傭兵が現れたという噂を広めてやろうと言った。
▲ マルチャー前線基地の風景
▲ ラダルは消息を断った仲間を探してほしいと頼んだ。
ドリガンの住人たちに名を売っておいた方がいいと考えた冒険者は、近くの渓谷を歩き回っている一人の怪我をしたハンターを発見した。彼はカルクを取り逃がしたと愚痴をこぼしていたが、そんな彼に冒険者は黙ってラダルの包帯を巻いてやった。するとそのとき、突然洞窟の中からカルクの鋭い鳴き声が聞こえてきた。ハンターが捕まえようとして逃したカルクに違いなかった。
洞窟内に入った冒険者は、負傷したカルクを簡単に倒した。すると、洞窟の片隅に隠れていたシャイ族のオデルがこっそり姿を現した。怪我をしたハンターの仲間だったオデルは、冒険者の実力を目の当たりにし、傭兵として使えそうだと考えた。そこでオデルは冒険者に「ドベンクルンの傭兵事務所」の存在を教え、ヤフク祭司長からドベンクルンの基本礼儀を学ぶことができるようにした。
▲ 怪我したカルクを狩る冒険者
▲ 冒険者はヤフクからドベンクルンの基本的な作法を学んだあと、首都に入る。
ドリガンの首都ドベンクルンは、レッドドラゴンガーモスの出現に備え、冒険者以外にも数多くの傭兵を雇っていた。冒険者は警備兵の指示に従って傭兵事務所のジェリズに会い、すぐに彼の養女にも会った。ところが、その娘の顔にはなんとなく見覚えがあった。彼女はカルク洞窟のシャイ族、オデルだったのだ。彼女の本名は「オデルフィン」で、外ではオデルという仮名を使っていた。
オデルフィンは、遊び人気質の父親に代わって実質的に傭兵事務所を運営していた。彼女は冒険者に対し、ドリガンの住民に署名をもらってくるという最初の任務を与えた。その書類は、大規模戦闘のための軍需品徴収同意書であった。
ドリガンはもともと過酷な環境のため、食糧や生活必需品が不足することが多かった。しかし、今は戦闘のためにも住民は決まった量の物資を納品しなければならなかった。もちろん、こうした村長と元老会の決定に不満を抱く住民たちもいた。軍需品を徴収して物資の相場が大幅に上昇したため、貿易商人たちは大きな打撃を受けた。これを受け、一部の商人は取り扱い品目を変えるなど、活路を求めて奮闘していた。
▲ ドベンクルン傭兵事務所長、 オデルフィン
村長ドルゲフは、こうした住民たちの動揺を見て心配していた。ドラゴンそのものが与える恐怖と物資不足が重なった結果だった。さらに一部の怯えた住民たちは、ドラゴンに祭祀を行い、供え物を捧げなければならないという主張までした。村長はドラゴンと戦って勝ったというシェレカンの末裔として、これを全て乗り越えなければならなかった。
しかし、ドラゴンを倒したシェレカン、すなわち偉大な戦士たちの話は、幼い頃聞いていた童話に過ぎなかった。現在ドベンクルンにはドラゴンと直接対決した者はほとんどいないどころか、実は彼らはドラゴンどころか周辺国とも領土を巡って戦ったことすらなかった。村の元老たちは執務室に集まって対策会議に大忙しだった。
村の議員たちの意見は食い違った。自分たちの力で勝てるという議員がいる一方、外部の助けが必要だという議員もいた。ひとまず議会は警備隊を軍隊に昇格させて最大限の兵力を集めたが、少数民族が結合した部族国家であるドリガンには根本的な限界があった。結局、村長ドルゲフは多くの反対を押し切って、外部から傭兵を募集する知らせを出した。
▲ 住民の動揺を気にする村長ドルゲフ
▲ 執務室で対策会議を行う村の議員たち
村長執務室の補佐官は、冒険者を「祭司長ダフマン」のところに送った。若い頃、ドラゴンとドリガンの歴史について研究していた学者だったダフマンこそ、現在のドベンクルンにとって助けになる人材だった。
結局、議会が外部の力に頼ることを決定したと知ったダフマンは、「レッドウルフ」について言及した。数年前まで野生のオオカミに過ぎなかった彼らは、今や鎧を着て武器を振り回す存在になっている。ダフマンは彼らの突然の変化は、ガーモスの出現と関係していると考えていた。
このためダフマンは、村の警備隊長に「レッドウルフ調査報告書」を要請した状況だった。しかし、問題が発生した。いくら待っても報告書が村に届かなかったのだ。レッドウルフの村と国境を接している「レイブン警戒所」で何かあったに違いない。
▲ ドベンクルンの大祭司長、 ダフマン
レイブン警戒所、レッドウルフの村
レッドウルフ、力の根源、そしてガーモスとの関係を突き止める
レイブン警戒所に向かう途中、冒険者はある兵士の死体を発見した。鋭い物で急所を攻撃されたようだった。所持品に報告書のようなものはなかったが、その上方に広がるレイブン警戒所には、妙な緊張感が漂っていた。
指揮官マイラの指示により要塞化された警戒所はそれなりに堅固に見えたが、兵士たちは動揺しているようだった。レッドウルフがどうして突然変わり、なぜドベンクルンを攻撃するのかさえも分からない状況だったからだ。唯一確かなことは、彼らの中に人間と会話をできる者が誕生し、自らを「ガクツム」と称しているということだった。
▲ 冒険者はレイブン警戒所に向かう途中、転落した兵士の死体を見つけた。
▲ 警戒所の指揮官マイラ
▲ 負傷者は増え、残りの兵士たちは動揺していた。
▲ ガクツムとの激しい戦闘を繰り広げる兵士たち
冒険者は、マイラに協力してガクツムに関する情報を手に入れることにした。そこで冒険者は兵士たちと一緒にガクツムの群れを突破して道を作り、人間と言葉が通じるガクツムを見つけ出した。彼はチトクという名のレッドウルフで、人間の言葉が話せるという理由でかなり高い地位にいるようだった。
しかし、チトクはなんだか会話をしたくなさそうだった。「ガクツムは偉大なガーモスの命に従う。お前たちはおとなしく死ねばいいのだ」という脅迫めいた言葉だけが返ってきた。しかし、冒険者は一つだけ確信を得ることができた。レッドウルフとガーモスが関係しているということだ。よく見ると、レッドウルフの村にはあちこちにドラゴンの形をした彫刻像が建てられていた。
冒険者は村の近くで孤立している兵士たちから「ホワイトウルフ」に襲われた商団がいるという情報を聞きつけた。まずは商団を助けることが急務だったが、ホワイトウルフがいるという事実に冒険者は奮い立った。おそらく彼は、ガクツムのボスだった。
▲ 人間の言葉を話すレッドウルフ、チトク
▲ 村のあちこちにガーモスを崇拝する彫刻像が建てられていた。
兵士たちから聞いた場所には、辛うじで命拾いした商団員が数人いた。しかし、すでにホワイトウルフが現れ、全ての物を奪って人々を捕らえたあとだった。冒険者を見たドリガン商人の一人は、藁にもすがる思いで冒険者に不思議な石の欠片を一つ渡した。それは、ガクツムが吐き出したという黒い石の欠片だった。
その欠片を見た冒険者の目が大きくなった。冒険者は、誰よりもよくその石の正体について知っていたからだ。それは黒結晶だった。冒険者がレイブン警戒所の指揮官マイラにこの事実を伝えると、マイラはこの黒い石は主にレイブンの丘で発見される石だと話した。
冒険者はマイラが拾った岩石採集道具を使って石のサンプルを採取した。証拠品を収集し、ドベンクルンの村長に知らせるためだった。ところがその瞬間、どこからともなくホワイトウルフ「リブル」が現れた。冒険者は、そのウルフから強力な魔力を感じ、全力で立ち向かった。何度か激しい攻防が繰り返されたのち、リブルは冒険者の武器に打ちのめされた。
▲ ホワイトウルフの襲撃を受けたとされる商団。一台の馬車と数名の商人だけが助かった。
▲ 警戒所近くの岩壁に多くの黒結晶が点在していたため、警戒所には陰惨なオーラが漂っていたのだった。
▲ 冒険者は突然姿を現したホワイトウルフのリブルに立ち向かった。
簡単には姿を現さなかったリブルが、よりによって冒険者が黒結晶を採取しているときに現れたのは不可解だった。しかし、少なくともボスを失ったレッドウルフの勢いが弱まることは明らかだった。だが、不可解な点はまだあった。村長ドルゲフは、冒険者が以前に警戒所の近くで発見した兵士の死体は、レッドウルフにやられたものではないと言った。その兵士は調査の結果「小型の鋭いナイフ」で攻撃されたようだった。
ドルゲフは大祭司長ダフマンを呼び出し、いくつか質問をした。ダフマンによると、かつてシェレカンに立ち向かったドラゴンは、鉄鉱山の黒い石を飲み込み、強力になったのだという。最初に反旗を翻したブラックドラゴンのマクタナンはこの黒い石に彫刻し、他のドラゴンたちに与えて手下にした。
ダフマンは、現在姿を見せているレッドドラゴンガーモスの目的は「より多くの黒い石を探して鉄鉱山に向かうことだ」と述べた。黒い石はその対象に強力な力を与えるが、その分、力への渇きを大きくさせるのだ。したがって、今後議会が行うべきことは、レッドドラゴンがドベンクルンに目を向けるように仕向け、鉄鉱山に向かわせることだった。ダフマンは、どちらにしろガーモスを倒すのは不可能だと話した。
しかし、ダフマンの主張は多少危険なように思えた。万が一レッドドラゴンが鉄鉱山に向かえば、黒い石の力を得てさらに強力になり、その後再びドベンクルンを攻撃する可能性もあった。これに対して村長ドルゲフは議会ともう少し話し合ってみると言ってダフマンを見送ると、慎重に冒険者を呼び出した。ドルゲフには冒険者に任せたい特別な任務があったのだ。
▲ ドルゲフ村長はダフマンを呼んでこれからのことを話し合った。
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