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GMノート [GMノート] 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #8 - 誰も信じられない権力の都市、カルフェオン分岐3編
黒い砂漠 2021-09-17 18:00
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黒い砂漠ストーリーガイド - 一気に読む総まとめ 

※ 本ストーリーガイドは海外のサーバーで黒い砂漠を楽しんでいる冒険者様、「ユ・ジェウ」さんの経験を基にご本人がご自身で作成した投稿であり、原作者のご同意を得たうえで原本を翻訳した内容です。

原文:https://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=233341&site=black

 

今回は、カルフェオン地域における分岐3の内容を紹介します。この分岐は、セレンディア地域でイソベル・エンカロシャーの仲間となり「シアン商団員」になることを選択した冒険者が歩むストーリーです。

 

カルフェオン分岐3は、カルフェオンの貴族や富裕層の政治関係を如実に表していると言えます。冒険者は彼らの政治に巻き込まれながら、貴族や富裕層間の摩擦、策略、裏切りなどを肌で感じることになるでしょう。また、カルフェオン議会の議決過程も垣間見られるはず。そして、最終的にはこれらを通じて「明確な善と悪は存在しない」という黒い砂漠の世界において根幹となる思想を実感するでしょう。

 

大まかな構成としては漠然としているものの、緊張感あふれる政治ドラマを見ているようでもあります。これは、分岐2で見せてくれた寓話のような愛のストーリーとは真逆の印象です。しかし、何よりもイソベルを中心に繰り広げられるストーリーのため、プレイしてみるといつの間にかイソベルとシアン商団に情が湧き、彼女を応援している自分自身に気付くはずです。現実的な政争ストーリーやどんでん返しが好きな冒険者には、カルフェオン分岐3をお薦めします。

 

もし以前のストーリーが思い出せなければ、セレンディア地域・下編の「分岐3」を参考にしよう。

 

▶黒い砂漠 ストーリー#1 - 年代記・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #2 - 年代記・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #3 - バレノス地域へ

▶黒い砂漠ストーリー #4 - セレンディア地域・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #5 - セレンディア地域・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #6 - カルフェオン地域・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #7 - オージェの切ない恋の物語、カルフェオン分岐2編

 

※ メイン依頼、NPCの会話、知識などを参照して作成しました。

※ 分岐が出てくるのは、ユーザーの選択に応じてエピソードが異なる部分です。

※ ストーリーの展開上、若干脚色している部分がありますが、ゲーム内の設定には支障ありません。

 

 

■ カルフェオン分岐3 - イソベル・エンカロシャーのカルフェオン帰還後


デルペ騎士団城、デルペ前線基地

新米シアン商団員、戦闘に貢献して騎士団に認められる

 

 

シアン商団支部長のイソベル・エンカロシャーは、冒険者がビラーギ山賊の脅威を封じている間に無事道を通過した。山賊を掃討した冒険者は、彼女のあとについて「デルペ騎士団城」へと向かい、そこで補給担当官のグランビルと会った。グランビルは、別名「エンカロシャー家の花」と言われているイソベルから話を聞いていたからか、すぐに冒険者に気付くとあたたかく迎え入れてくれた。

 

ところが現在のデルペ城は、ハーピーと大規模な戦闘を繰り広げている戦争地域だった。シアン商団がここにやってきた理由も、デルペ城に補給品を納品するためであり、冒険者も「シアン商団員」として補給品を懸命に運んだ。

 

▲ 冒険者がデルペ城にシアン商団の補給品を届けている。

 

補給品を全て運び終えると、冒険者はカルフェオンへの正式な入国手続きをしなければならなかった。冒険者の身分はカルフェオン所属のシアン商団員であるが、出身はあくまで異邦人であるためだ。イソベルは冒険者に自分は先に「デルペ前線基地」に行っているので城の中にいるクリストファー・バーカント司祭に会って入国許可を得るようにと言った。ちなみにデルペ前線基地はデルペ城のような戦争地域で、シアン商団の補給が必要な場所だった。

 

クリストファー・バーカントは自身を訪ねてきた冒険者にエリアンの恩寵を授けると、あとは侍従のレヤスから入国許可証を受け取って、城の指揮官ブレゴ・ウィリアー軍長のサインをもらえばいいと言った。ところが、冒険者が侍従レヤスに近付いていくと、レヤスの表情がどこか不安気に見えた。冒険者のこの嫌な予感は当たっていた。レヤスはハーピーたちに入国許可証を盗まれてしまったのだという。レヤスは、ハーピーが飛び回る窓の外と自身を訪ねてきた冒険者の顔を交互に見ながら途方に暮れた様子で「カルフェオン首都から来る馬車の中に許可証があるはずだから、少し待ってほしい」と言った。

 

▲ 侍従レヤスは入国許可証をハーピーに盗まれてしまった。

 

しかし、レヤスが言っていた許可証を載せた馬車がいつ来るのかは分からなかった。闇の精霊はこのもどかしい状況に耐えられず、ハーピーを捕まえて許可証を取り戻そうと冒険者を説得した。冒険者もいつ来るか分からない馬車をただ待っているよりマシだと思い、ハーピー狩りに出かけることにした。すると運の良いことに、入国許可証を盗んだハーピーはすぐに見つかり、無事に許可証を取り戻した冒険者は、団長マーガレットのもとへと向かった。

 

しかし、マーガレット団長は今のような緊迫した戦闘状況において一般の案件ではウィリアー軍長に会うことはできないと言った。その代わり、軍事的な用件なら接触が可能だと付け加えた。これはまさに、冒険者に戦闘を手助けしてほしいという意味に他ならなかった。

 

勘のいい冒険者は、マーガレット団長の補佐コンラットを訪ねるとハーピーとの戦闘に力を貸すと申し出た。コンラットは「一介の商団員に何ができるのか」と冒険者の申し出を鼻で笑ったが、この言葉にカチンときた冒険者があっという間にハーピーを3匹やっつけてしまうと、自らの浅はかさを謝罪した。

 

実力を認められた冒険者は、ハーピーの怪しい言語体系を調べるという任務を任されることになった。冒険者は戦場を駆け回りながら地面に落ちているハーピーの体をくまなく調べ、ついに謎の言語で書かれた文書を発見した。コンラットとマーガレットは、この謎の文書を受け取ると「大変大きな功績を立てた」と言い、ウィリアー軍長に会う手はずを整えてくれた。さらにウィリアー軍長も、冒険者の功績を聞くと快く入国許可証にサインをしてくれた。

 

▲ 初めは冒険者を鼻で笑っていたコンラットも、冒険者の活躍を認めざるを得なかった。

 

▲ 冒険者の功績を認め、カルフェオンへの入国を許可してくれたブレゴ・ウィリアー軍長

 

次に冒険者はイソベルが言っていたデルペ前線基地へと向かった。イソベルは遅れてやってきた冒険者を見て文句を言おうとしたが、デルペ城を救うために遅れたという事情を聞くと、その怒りを鎮めた。しかし、冒険者の目にはイソベルが依然として不機嫌そうに見えたため、その理由をポビオスにこっそり聞くことにした。するとポビオスは、以前イソベルがデルペ前線基地の総括者と補給品問題で争ったことがあるのだと小声でささやいた。

 

かつてデルペ前線基地の隊長エルグリフィンが「シアン商団が補給品で商売をしている」と不満を吐露すると、これに激怒したイソベルは次からデルペ前線基地に補給をしなくなったというのだ。その後、カリス議会の仲裁で補給は再開されたが、それ以降、イソベルは前線基地の隊長と折り合いがよくないらしい。

 

▲ シアン商団と前線基地との確執を語ってくれたポビオス

 

ポビオスは、シアン商団のためにもこのような確執を解消すべきだと考えていた。そこで新米商団員である冒険者に、エルグリフィンと接触して顔見知りになっておくようにと助言した。冒険者の目には、エルグリフィンもイソベルに対してわだかまりを持っているように見えたが、新しくやってきた冒険者には興味を示してくれた。実は彼女は、すでにブレゴ・ウィリアー軍長から「ハーピーの言語体系を解き明かしたシアン商団員」について噂を聞いていたのだった。

 

冒険者の実力を知ったエルグリフィンは、クルトとハーピーを同時に相手しているデルペ前線基地に力を貸してくれないかと尋ねた。だが冒険者は、この提案を快諾することはできなかった。冒険者はすでにれっきとしたシアン商団員であったため、この提案を勝手に受け入れてしまえば、イソベルがさらに機嫌を損ねるのは明らかだった。そこで冒険者は、先にポビオスを訪ねて承諾を得てみることにした。

 

ところが冒険者の心配とは異なり、ポビオスはあっさりとこの件を許可してくれた。彼は国のためなら力を貸すべきだと主張し、イソベルには冒険者が納品の仕事で少し遅れると話しておこうと言った。その代わり、鋭いイソベルに気付かれる前にできるだけ早く仕事を終えて北部小麦農場で合流することを約束した。

 

▲ かつてイソベルと戦ったデルペ前線基地の隊長、エルグリフィン

 

商団の許可を得た冒険者は、心おきなくエルグリフィンを助けに行った。エルグリフィンは要請を承諾してくれた冒険者に礼を言うと、前線基地の兵士たちがクルト族と戦っている間に上の稜線から下りてくるハーピーたちを処理してほしいと言った。冒険者は彼女の指示に従って稜線のハーピーたちを処理すると、ハーピーの巣と卵まで全て破壊した。それからデルペ前線基地へ向かうと、前線基地の兵士たちによるクルト殲滅作戦も無事成功し、全て片付いた状態だった。

 

一方、エルグリフィンは冒険者が持ってきた巨大なハーピーの羽を見ると「羽毛の母」がいるはずだとし、カリス議会に報告して討伐隊を呼ぶと言った。そして力を貸してくれた冒険者に心から感謝の意を表した。冒険者は達成感を噛みしめつつ、イソベルが待つ北部小麦農場へと向かった。

 

▲ デルペ前線基地はハーピーに加えクルト族の相手もしている状況だった。

 

▲ ハーピーのみならず、ハーピーの巣と卵まで破壊してしまった。


北部小麦農場、フローリン村、ブリの木遺跡

倒れたイソベル・エンカロシャーのため、治療薬を手に入れる

 

 

北部小麦農場はカルフェオン地域に広がる豊かな大農場で、カルフェオンの名門「レート家」のノーマン・レートが運営していた。ノーマン・レートは噂通り慈悲深く穏やかな人物だったが、彼女は冒険者に現在イソベルは少し席を外しているので、戻るまでしばらく農場を見て回ってはどうかと提案した。

 

冒険者の目に映る北部小麦農場は、まさにカルフェオンの国力を証明しているかのようだった。農場の倉庫にはカルフェオンの全地域に普及する小麦が山積みになっており、また別の場所では全国で人気のレートエールビールが大量に生産されていた。そして変わったことに、いくつかの設備はタヌキを使った自動化システムで回っているようだった。冒険者は、その美しくも巨大な農場の光景に圧倒されるばかりだった。

 

▲ ノーマン・レートによると、イソベルは少し席を外しているという。

 

 

 

▲ 北部小麦農場の様子

 

そうして冒険者が農場の見学に夢中になっていた頃、ノーマン夫人が突然冒険者を呼びに来た。来客だと言われて行ってみると、そこにはイソベルの右腕、ポビオスの姿があった。ポビオスはノーマン・レートを現在カルフェオンでもっとも評判のいい貴族だと言うと、エンカロシャー家とシアン同盟を結んでいるレート家の人だと教えてくれた。

 

実際にノーマン・レートはカルフェオン都市に大邸宅を余裕している貴族だったが、ほぼ全ての時間を農場で過ごしながら難民キャンプの人々を支援していることで名声を博していた。対してイソベルが所属するエンカロシャー家は、執拗に金をかき集めて成長した新興家門と言われており、住民からの評判はよくなかった。

 

一方、ポビオスは冒険者にイソベルに挨拶をしに行こうと言った。イソベルは近くの高い塔から小麦農場を見下ろし、感傷に浸っているようだった。彼女は自身を訪ねてきた冒険者とポビオスを見ると、これまで自分が歩んできた人生について語り始めた。

 

▲ 農場を見下ろしながら感傷に浸った様子で語り始めたイソベル・エンカロシャー

 

イソベルが属しているエンカロシャー家は、実際のところ貴族出身ではなかった。彼女はもともと平凡な商人の身分だったが、人々から下に見られることを嫌い、必死に富を築いたのだった。その過程で村の人々から「目的のためには手段と方法を選ばない恐ろしい人物だ」と後ろ指を指されることもあったが、結局のところ彼らはイソベルの前では服従するしかなかったため、彼女は意に介さなかった。

 

そんな人生を送ってきた彼女が北部小麦農場で「自発的に楽しみながら」働く農民たちの姿を見た。小麦農場の住民たちは、レート家の下で働きながらも「幸せそう」に見えた。そんな彼らの姿を見ていると、イソベルはこれまで自身が生きてきた人生を否定されたような気分になるのだった。

 

話を続けていたイソベルは、ふと我に返ったのか「つまらない話をしてしまった」と言うと、今聞いた話は忘れてほしいと話した。商人は勘定をする時、感情を加えないものだと。ところがこの話を終えると、突然イソベルの息が乱れ始めた。レート家への嫉妬や怒りのせいだろうか?彼女はついにふらつき、気を失って倒れてしまった。

 

▲ イソベルは自身の人生を振り返っていたが、突然気を失って倒れてしまった。

 

突然の事態に冒険者とポビオスも手の施しようがなかった。冒険者は気を失ったイソベルを背負い、急いで塔を降りるとノーマン・レート夫人に助けを求めた。ノーマン夫人は即座に応急処置を施すと、「以前イソベルが廃城跡にいた時、反乱軍の刃が肌をかすめて傷を負ったようだ」と言った。廃城跡といえば、以前イソベルとポビオスがセレンディア反乱軍アル・ルンディの状況を把握するため出向いた時のことに違いなかった。

 

ノーマン・レートはポビオスに看病を頼んだが、最大の問題は農場に治療薬がないことだった。夫人は汚染された刃物で斬られた傷を治療するにはフローリン村の「バレンタイン村長」を訪ねなければならないと言い、冒険者に代わりに村長を訪ねてくれないかと頼んだ。

 

フローリン村に到着した冒険者は、村長に駆け寄ると現在の状況を説明し、治療薬が欲しいと迫った。村長は冒険者の話を聞くと、イソベルが危険な状態なのは確かだが、すぐに死ぬことはないから心配することはないと言って冒険者をなだめた。そして冒険者に治療薬を作るために必要な材料(フクロウのくちばし、羽毛、足の爪)を教えてくれた。冒険者はすぐさま近くのフクロウを捕まえるため駆け出した。「シアン商団はまだ未払いの薬草代も返してくれていないのに!」とぼやくバレンタイン村長に背を向けたまま。

 

▲ フローリン村のバレンタイン村長。シャイ族でプレイしているとこのような特殊なセリフも出てくる。

 

▲ フローリン村の周辺にはやや滑稽な姿をしたメンフクロウたちがいる。彼らは治療薬の材料になる。

 

冒険者はすぐに大量の材料を獲ってくると、村長の前に積み上げた。村長はその光景を見て、こんなにたくさん持ってきたのかと戸惑った様子だったが、すぐに治療薬作りに取り掛かってくれた。

 

ところが、治療薬作りは見事なまでに失敗に終わった。村長は「そもそも薬草というものは簡単に作れるものではない!」と平静を装っていたが、あとから「あ、そうだ!ブリの木を忘れていた!」と叫んだ。すると今度は、冒険者にブリの木の根の汁を持ってくるようにと言った。冒険者は若干バレンタイン村長を疑いながらも、すぐに材料を求めてブリの木遺跡へと向かった。

 

ところが、村長が言うブリの木遺跡の奥地に入るには、まず大きな古代の守護塔を退治しなければならなかった。守護塔は強力なエネルギーを発し、古代兵器まで召喚して冒険者の接近を阻んだ。冒険者は思ったより手強い守護塔にかなりの苦戦を強いられたが、ついに強力な闇の精霊の力を使って守護塔を粉々に砕くことに成功した。

 

▲ なんと!ブリの木を忘れていた!

 

▲ 遺跡守護塔との戦闘

 

闇の精霊は、壊れた守護塔を見てこれで遺物の防御体系が消えたとし、ブリの木の根が繋がっている場所へ行こうと言った。そこにはバレンタイン村長が言っていた薬草と、何よりも闇の精霊が求めている遺物の力があるという。冒険者はその二つを全て手に入れるため、古代兵器を壊してブリの森の洞窟の奥深くへと向かい、そこで古代の遺物を発見した。闇の精霊は遺物を見るや否や素早く飛びつき古代の力を美味しそうに吸収し、冒険者もブリの木の根の汁を無事に採取することができた。

 

冒険者から材料を受け取ったバレンタイン村長は、イソベルを治療する薬を完成させた。冒険者は、その薬を持って北部小麦農場のノーマン・レート夫人のもとへ行くと、薬はすぐに倒れたイソベルを介抱しているポビオスに届けられた。

 

しかし、依然として問題が残っていた。もともとの日程だと、シアン商団は北部小麦農場の次にトロル防御基地に補給品を届けるはずだった。ところがイソベルが倒れてしまったため、すぐに補給品をトロル防御基地に届けることができるのは冒険者しかいなかったのだ。農場の主人、ノーマン・レートは冒険者にこの仕事を終えたらカリス議会のエンリック・エンカロシャーに報告するようにと言った。エンリック・エンカロシャーは、エンカロシャー家を興した本人であり、イソベルの父親であった。

 

▲ 古代遺物の力を吸収し、村長が言っていた薬草も探し出した。

 

▲ 冒険者はシアン商団の次の補給場所、トロル防御基地へと向かった。


トロル防御基地、ギュントの丘

シアン商団の補給業務を終え、トロル防御基地を救援する

 

 

トロル防御基地の責任者であるアンドレー・ヴィダルは、補給品を持ってきた冒険者を苦々しく見つめた。「早かったな」「あの鼻持ちならないイソベルはどこへ行った」などと皮肉っていた彼は、イソベルが倒れたと聞くと非常に興味深そうな顔をした。そして冒険者に次は後方の補給路でも点検してみるようにと告げた。

 

ところが冒険者が見たトロル防御基地の補給ラインは、問題だらけだった。補給官グタッフは、自身を訪ねてきた冒険者に「補給品の状態が悪いうえに数も合っていない」とぼやいた。これを聞いた冒険者は、後方の補給所の馬車と御者、そしてエリアン教の司祭たちに目をやったが、その状況はかなり酷い有り様だった。管理兵は何か隠しているかのように口ごもり、補給官ヨンデルは礼拝の日にも働きに出なければならないことに不満が多い様子だった。そして近くのエリアン司祭もまた、御者の態度についてあれこれ不満を並べ立てている最中だった。このような状況で補給がきちんと行われる方がおかしいくらいだった。

 

冒険者はこの事実をアンドレー・ヴィダルに伝えたが、彼は特に興味がなさそうだった。それどころか、アンドレーは冒険者に補給には問題がないと主張し、「一介の商人が威張っていないで早くここから立ち去れ」と言った。

 

▲ 物品を持っていくと皮肉を言い出したアンドレー・ヴィダル

 

▲ やはり補給品はきちんと管理されていなかった。

 

アンドレーの生意気な態度に腹を立てた闇の精霊は、周囲のトロルを退治して奴の鼻をへし折ってやろうと言った。冒険者は闇の精霊の言う通り、まずは高い望楼へ登ると戦場の状況を見渡した。現在、防御基地の前方はトロルたちの投石器のせいですぐにでも崩れそうな勢いだった。また、後方もいくらかトロルの攻撃を受けており、簡単ではなさそうだった。

 

状況を把握した冒険者は、望楼から降りると見せつけるかのようにトロルを退治していった。一介の商人とは思えない実力を目の当たりにしたアンドレーは、冒険者を再び呼びつけた。そして冒険者が以前デルペ城で活躍した者だと知ったアンドレーは、これまでの態度について謝罪し、トロルシャーマンと投石器を取り除くのに力を貸してほしいと言った。

 

人のいい冒険者は、快くトロルシャーマンと投石器を取り除くのを手伝い、これに勝機を掴んだトリーナ騎士団は、積極的にトロルを追い出して反撃を始めた。するとトロルたちは以前と異なりたじろぐ姿を見せたが、すぐに戦列を整えると再び激しく反撃してきた。このままでは、勝利どころかむしろ多くの死傷者が出ることは明らかだった。

 

▲ 防御基地は前後をトロルに囲まれ、緊迫した状況だった。

 

▲ 冒険者は見せつけるかのようにトロルを退治し、トリーナ騎士団に勝利をもたらした。

 

闇の精霊はトロルたちが素早く戦列を整えた理由を「ボス」から探し出した。あとになって分かったことだが、「ブラックメイン」と呼ばれるトロルの長老が体系的にトロルたちを率いていたのだ。冒険者は闇の精霊に導かれるまま、戦場を迂回するとトロルの陣営に忍び込んだ。

 

ブラックメインはトロル陣営の奥深く、ギュントの丘の野原に隠れていた。突然飛びかかってきた冒険者に驚いたブラックメインは、自身の巨大な棍棒を取り出した。しかし、冒険者の動きの方が速かった。ブラックメインは、容赦なく繰り出された冒険者の攻撃に結局のところ力なく倒れた。

 

ボスが倒れたことを確認したアンドレー・ヴィダルは、トリーナ騎士団の勝利を宣言した。彼は冒険者がこの防御基地を助けたのだ言い、商団の仕事を辞めて騎士団に入ってくれないかと冒険者に懇願した。その言葉を聞いた冒険者は、まるでよく分からない、といった具合に肩をすくめ、カリス議会への補給が無事に済んだことを知らせるため、カルフェオン首都へと向かった。

 

▲ 冒険者の攻撃に倒れるブラックメイン


カルフェオン議会

疑い、そして芽生える確執

 

 

しかし、カルフェオン首都の分厚い扉は簡単に開かなかった。門番は身元がはっきりしていないという理由で冒険者を中に入れてくれず、そのせいで冒険者は身動きが取れず途方に暮れていた。ところがその時だった。どこからともなく「待った、待った!」と言いながら小柄なシャイ族が現れた。

 

前が見えているかどうか疑わしいほど、顔の半分がすっぽり覆われる帽子を被ったシャイ族は、門番に向かって「シアン商団の証が見えるじゃないか」と言うと、勤務中に居眠りをしていたという噂があるが、本当かどうか確認しようか、と門番を脅した。この言葉を聞いた門番は、慌てた様子を見せると結局冒険者の入城を許可してくれた。

 

無事に門を通過した冒険者は、助け舟を出してくれたシャイ族に礼を言った。「照れくさいから礼は結構」と言ったシャイ族は、自身を「叫び屋ルービン」と名乗り、カルフェオンにまつわる噂は全て自身を通して流れているのだと得意げに語った。

 

▲ 門番に阻まれた冒険者を助けてくれた叫び屋ルービン

 

▲ ホープ銀行頭取、バスケアン・リュリックに入国申告を済ませた。

 

その後、冒険者はルービンの案内で入国審査を受るため、バスケアン・リュリックのもとへ向かった。ところが、なんと、皮肉なことにバスケアン・リュリックはトロル族だった。少し前までトロル防御基地で乱暴なトロルたちの相手をしていたというのに…。しかし彼はトロル防御基地のトロルたちとは違い、落ち着いて冒険者を迎えるとイソベルの件に触れ、あまり心配するなと冒険者に声をかけた。親切に入国手続きを進めてくれた彼は、カリス議会の前にいるヴォルクスに会えば、議会の中に入れるだろうと教えてくれた。

 

カルフェオンのカリス議会を訪れた冒険者は、整然と立っているカルフェオン兵士の一群を発見した。そして査閲中の兵士たちが並ぶ中、神聖なカリス議会の階段の上に謹厳と立っているヴォルクスの姿は、議会の権威を大いに高めているようだった。冒険者がそこにそっと近付くと、ヴォルクスは「話は全て聞いている」と言い、カリス議会で注意すべき点をいくつか教えてくれた。実は、カリス議会に外部の人間が入るのは、前例のないことだったのだ。

 

▲ 議会前の査閲

 

▲ 議会の扉の前を守っているトリーナ騎士団団長、ヴォルクス

 

カリスはカルフェオンにおける全ての国家政治が行われる場所で、カルフェオン王ガイ・セリックの死以降に誕生した議会だった。カリスには各階級を代表する7人の議員がいるが、名門家ヘルマン・フェレシオ議会長を筆頭に、伝統ある貴族家門3人と商人代表、軍事代表、市民代表で成り立っていた。

 

貴族家門にはベイシアン家、レート家、エルン家があるが、このうち保守的なベイシアン家以外は商業に高い関心を持っていた。レート家はレート商団を運営しており、シアン商団とシアン同盟を結んでいた。また、エルン家もエンカロシャー家と共に工房を運営していた。特にドミニク・エルンの息子ジェフリー・エルンは、エンリック・エンカロシャーの娘であるイソベルと婚約した仲だ。

 

この他に、商人代表は冒険者が属しているシアン商団のエンカロシャー家、軍事代表はかつてバレンシア遠征にも参加したトリーナ騎士団の最高統率者デルパード・カスティリオン、そして最後に市民代表はジョバン・グローリンというシャイ族で、現在スラム街を支援しているが、実際には権力がない操り人形に過ぎなかった。

 

▲ カリス議会の議員たち。左からベイシアン、エルン、レート、エンカロシャー、カスティリオン、グローリン代表。

 

カリス議会内では、すでに7人の議員たちが巨大な円形テーブルを囲んで熱い議論を繰り広げていた。彼らはスラム街のデモについて話をしていたが、スラム街の要求を受け入れるか否かが主な議題のようだった。しかし、もともと仲が良くなかったエルン家とベイシアン家の口論により、結論が出ないまま会議は幕を閉じた。

 

会議後、冒険者は自身の活躍がすでにカリス議会の議員たちに知れ渡っていることを知った。レート家のエリナ・レートは冒険者の活躍を称賛すると、自身を「北部小麦農場にいるノーマン・レートの妹」だと名乗った。また、イソベルの父親であるエンリック・エンカロシャーは、シアン商団を救ったのは君だったのかと言うと、役立たずの娘の代わりに謝罪すると述べた。

 

そうして冒険者が一通り全員の議員と挨拶を交わし終えた頃、レート家のエリナ・レートは冒険者を呼び、「内緒で話したいことがあるが、まずは少し休んでからカルフェオン首都を見て回るように」と言った。冒険者は久しぶりの休息を楽しみながら、工房、市場、カルフェオン大学、大聖堂などを見学し、大聖堂で自身を訪ねてやってきたとある人物に会った。

 

▲ 大聖堂を見学していると、あるシャイ族がふと冒険者を訪ねてきた。

 

自らを「セシア」と名乗ったシャイ族は、エリナ・レートが至急冒険者を捜しているので、そろそろ帰ろうと言った。そのシャイのあとについて行った先はエリナの執務室で、エリナは冒険者を見るや否や、「イソベルを信用しているのか?」と尋ねた。

 

エリナ・レートによると、最近カルフェオンに「ハイデルが独立のために軍資金を集めている」という噂が流れているという。しかし、戦争に敗れたばかりのハイデルにそのような軍資金があるとは到底考えられなかった。そのため、もしそれが事実であるなら、何者かが裏でハイデルを支援しているのは明らかだという結論に至ったのだった。そしてエリナは、ハイデルを支援している反逆者として、イソベル率いるシアン商団に目を付けていた。

 

▲ エリナ・レートはイソベル率いるシアン商団がハイデルを支援しているのではないかと疑っていた。

 

もしエリナの言う通りシアン商団が本当にハイデルを支援しているなら、シアン商団には厳しい処罰を受けるのは明白だった。エリナは冒険者の目をじっと見つめると「あなたは無限の可能性を秘めています。本当にイソベルを信じているのですか?」と問い詰めた。

 

冒険者は一瞬混乱した。よく考えてみると、イソベル・エンカロシャーは本当に刃物で傷を負っていたのだろうか?もしかしたら、演技だったのではないだろうか?結局、冒険者はエリナの質問に何も答えることができなかった。そして混乱した心を何とか落ち着かせると、事実を確認するためイソベルの父親、エンリック・エンカロシャーに会いに行った。

 

エンリック・エンカロシャーは、自身を訪ねてきた冒険者に全て仕組まれたことだと訴えた。彼は「イソベルが戻ってこなければこのようなことが起こると思っていた」と言うと、ここは権力の暗闘で溢れるカルフェオンだと忠告した。そして冒険者の目を真っ直ぐ見つめ、「シアン商団の英雄よ、お前も私とイソベルを疑うのか?」と反問した。

 

▲ エンリック・エンカロシャーは全て仕組まれたことだと言い、自身の潔白を主張した。

 

エンリック・エンカロシャーの話を聞いた冒険者は、少しばかり安堵した。明らかにエンカロシャー家は潔白だろう。冒険者はイソベルのそばで長い間彼女を見守ってきた。そして倒れた彼女を助けたのも冒険者だった。冒険者はこの事実を伝えるため、再びエリナ・レートの執務室を訪ねた。

 

しかし、エリナ・レートは揺るがなかった。依然として疑いはシアン商団に向けられており、もしシアン商団が反逆行為を行っていた場合、彼女と行動を共にしていた冒険者もまた反逆者となり処罰を受けることは明らかだった。そこでエリナ・レートは、冒険者に一つ提案をした。その提案とは、「今この時間からシアン商団ではなく、レート商団の一員として活動してはどうか」という内容だった。

 

エリナは、時間が経てば結局シアン商団の反逆行為は既成事実になると言い、もし冒険者が今レート商団に入って働いてくれるなら、今回の件は見逃すことはもちろん、莫大な富と名誉も保証すると言った。この言葉を聞いた冒険者は、再び頭を悩ませることになったが、結局はエリナの提案を承諾し、レート商団の一員になることに決めた。

 

▲ 冒険者は今回の件に巻き込まれないために、結局レート商団員になった。


ケプラン村

レート商団員となり、交易権を手に入れる

 

 

エリナはレート商団員となった冒険者の立場を守ることを約束すると、ケプランの黒結晶商業権(交易権)を手に入れてくるようにと言った。その商業権は本来別の商団が持っていたが、ケプランの事業家グレコとうまく交渉してレート商団のものにするように、という任務だった。

 

そうして冒険者はカルフェオン首都の南東に位置するケプランへと向かう途中、ある兵士の群れと出くわした。マルニ洞窟の道と呼ばれる陰気な場所には兵士たちだけでなく、奇妙な生命体の死体が転がっていたが、これを調べていた兵士ヘンジ・バトは、これがマッドサイエンティストマルニの実験体だと教えてくれた。また、ケプランの住民たちがこの場所を通りかかった時に、転落した実験体によりケガをしたり死亡する事故が起きているという。

 

▲ ケプランへと向かう洞窟の道で、兵士の群れが怪しいモンスターの死体が落ちている場所を調査していた。

 

冒険者はケプランの住民たちの信頼を得るためにもこの仕事を助けることにした。これを通じ黒結晶の交易権を手に入れやすくしようと考えたのだ。そうしてマルニの実験場に足を踏み入れた冒険者は、そこであらゆる怪しい実験体を目にしたが、それらを処理しながらついに一番奥地にいるボス、マッドサイエンティスト助手まで倒してみせた。

 

マルニの実験場を整理した冒険者は、エリナ・レートに言われた通り、黒結晶の事業家、グレコ・コーダに会いに行った。冒険者は、まずマルニの実験場でモンスターを始末した時に拾った「キメラの瞳」を差し出して相手の歓心を買おうとした。その煌びやかで美しい結晶を受け取ったグレコは、冒険者の思惑通り喜んだ様子だった。しかし、グレコは現在の交易権を破棄してまでレート商団と契約を結ぶことはできないと言い、その代わりある条件を出してきた。まず最初の条件は、グラトニー洞窟内にある「輝く何か」を持ってくることだった。

 

▲ マルニの実験場で様々な実験体を退治した。

 

▲ マルニの実験場のボス、マッドサイエンティスト助手

 

▲ 冒険者はケプランの黒結晶交易権を手に入れるため、グレコ・コーダと交渉した。

 

グレコが言うグラトニー洞窟の中で輝いているという結晶の正体は、「清水の起源」と呼ばれる者だった。冒険者は洞窟の奥地で清水の起源を発見したが、付近にいるグラトニーたちのせいで結晶は完全な形を成してはいなかった。そこで冒険者はグラトニーたちを退治すると、一つの結晶となった清水の起源をグレコに届けに行った。

 

グレコはその青い結晶を受け取り満足そうな様子で感嘆の声を上げると、すぐさま二つ目の条件を提示してきた。ケプランの南には巨人の群れが住んでいるが、最近になって怪しい動きを見せていると村人たちの間でささやかれているらしい。その噂を確かめてくれというのだ。グレコはこれらは全て円滑な交易のため、「労働者たちの信頼を得る」作業だと主張した。

 

 

▲ 交渉の第一条件は、清水の起源を持ってくることだった。

 

こうして冒険者はジャイアント族が住む「ゲハク平原」へと向かい、そこでジャイアント族からある「指令書」を奪い取った。ところが、その指令書には残酷にもケプランを襲撃する作戦が書かれており、この事実を知った冒険者はこれを止めるためにジャイアント族の武器を奪うと彼らを退治した。しかし闇の精霊によると、まだ彼らの族長が残っているという。

 

実際のところジャイアント族の族長はずいぶん前に死んでいるが、その恨みが強く、消えない一種の「思念体」となって残っているのだった。闇の精霊は、ジャイアントたちのケプラン侵略の意志を完全に砕くには、その思念体を退治しなければならないと言った。冒険者は闇の精霊に言われた通り、付近の黒い亀裂を探して「族長ゲハク」を召喚すると軽い戦闘の末、族長の思念体をも倒してしまった。グレコに提示された条件を十分にクリアした冒険者は、ケプランへと戻ることにした。

 

グレコは、ジャイアント族がケプランを襲撃しようとしていたことを冒険者から聞かされると、危うく命を落とすところだったと言ってジャイアント族を退治してくれた冒険者に感謝の意を表した。そしてこれならレート商団に黒結晶の交易権を与えても誰も文句は言わないだろうと交渉を承諾してくれた。

 

▲ ジャイアント族の族長、ゲハクを退治し二つ目の条件もクリアした。


カルフェオン首都

暴かれる陰謀、誰も信じられない

 

 

ケプランの黒結晶交易権を手に入れた冒険者は、エリナ・レートのもとへ戻ると、この事実を報告した。戻ってきた冒険者を見たエリナは、思ったより早かったと言うとしばらく言葉を失った様子だったが、カリス議会でエンカロシャー家の審問会が開かれると知らせてくれた。さらにエリナは、今回の審問会でエンカロシャー家の反逆罪が成立すれば、全員が懲罰の対象となるため、冒険者は必ずレート家の一員だと言うようにと忠告した。

 

審問会は目まぐるしく進められた。カリス議会長のヘルマン・フェレシオによる開会宣言で始まった審問会は、シアン商団を疑う議員たちと無罪を主張するエンリック・エンカロシャーの間で論争が繰り広げられた。しかし実際のところ、ハイデルの莫大な軍資金を提供できる商団はシアン商団しかなかった。レート商団とエルン商団はメディアとの交易路を開拓するためそれほど多くの資金を持ち合わせておらず、彼らと密接に接触できるのはハイデル支部長のイソベルしかいなかったのだ。

 

さらにイソベルが戻ってこないという事実も、疑われて当然の要素だった。彼女が任務中に負傷を負ったといっても実際に確認する方法はなく、真実かどうかは分からなかった。そのため、結局はすぐそばにいた冒険者の証言が何より重要になった。冒険者は、本当に彼女の傷を見たのか?彼女を信じることができるのか?冒険者は選択しなければならなかった。

 

 

▲ 審問会ではシアン商団事件に対し、議員たちの攻防が繰り広げられた。

 

▲ イソベルを信じることができるのか、答えなければならない。

 

冒険者はこの状況でどうするべきか分からなかった。エリナに言われた通り、レート商団側に立つべきか?それとも、シアン商団との義理を守るべきか?冒険者は緊張で震えが止まらず、脂汗が頬をつたった。そうしてついに冒険者が心を決めて口を開こうとしたその瞬間、カリス議会の扉の前に高らかな女性の声が響き渡った。

 

「………待って!ちょっと待ってください。遅れました。」

 

驚くべきことに、そこに立っていたのはイソベル・エンカロシャーだった。イソベルは議員たちに「黄金ヒキガエル旅館の引き受け確認証」を見せながら、この審問会がどれほど意味のないものなのかを明らかにした。こうしてシアン商団はハイデルに金を渡したのではなく、むしろ取り戻していたということが証明され、シアン商団にはすぐに無罪判決が下された。

 

▲ イソベルは明確な証拠を提示し、反逆論議を一蹴した。

 

ひとしきり審問会が開かれたあと、冒険者はしばらく休息を取りカルフェオンの川辺でポビオスと会話を交わしていた。そこでポビオスは冒険者に驚くべき話を聞かせてくれた。

 

冒険者が北部小麦農場を出発してから、バレンタインの治療薬を飲んだイソベルは次第に体調を取り戻していった。ところが問題は、そのあとに起きた。バレンタイン村長がポビオスのもとにゼイゼイ言いながら走ってくると、薬を間違えて作ってしまったと言い、その薬は「汚染された刃で斬られた傷を治療するのではなく、人為的な毒を治療するものだった」と告げたというのだ。

 

つまり、イソベルが廃城跡で倒れたのは、汚染された刃物で斬られたせいではなかった。あとになって分かったことだが、彼女は誰かがこっそり毒薬を盛った食べ物を食べてしまったせいで倒れたのだった。さらに、当時イソベルが食べた物は北部小麦農場でノーマン・レートから渡されたシチューしかなかった。これは、ノーマン・レートがイソベルを殺そうとしたことを証明する事実だった。しかも、冒険者がレート商団にもたらした黒結晶交易権の本来の持ち主もまた、シアン商団であった。

 

▲ イソベルの食事に毒を盛ったのは、驚くべきことに北部小麦農場のノーマン・レート夫人だった。

 

これを聞いて騙されていたことに気付いた冒険者は、怒りに身を震わせながらエリナ・レートの執務室へと向かった。ところが、エリナ・レートは自分がしたことを認めながらも、自身の正当性を主張した。実は、イソベルが属するエンカロシャー家は以前から手段と方法を選ばないことで有名で、数多くのライバルたちを排除してきたという歴史があった。その過程で貧民となり追い出された善良な住民たちの中には、極端な選択をする者も現れたという。

 

一方、エリナが属するレート家は善行を続けており、住民たちから評判がいい貴族だった。そのためレート家がイソベルを毒殺しようとしたという噂が広がったところで、これを信じる人は誰もいなかった。エリナはイソベルが死んでも、それは「エンカロシャー家が他の人々に与えた苦痛に比べれば小さな代償」だと表現した。

 

これを聞いた冒険者は、まるで胸を締め付けられるような感覚に襲われた。レート商団が行ったことは決して正しいことではなかったが、これはシアン商団がかつて行ったことと何ら変わりはなかった。この事実は冒険者に重くのしかかり、エリナの言葉を伝え聞いたポビオスもまた、簡単に反論できない様子だった。ただ一つ明らかなのは、レート商団とシアン商団が結んでいる「シアン同盟」に今後大きな変化があるだろうという事実だけだった。

 

▲ レート家の毒殺は、かつてエンカロシャー商団が行った行為と何ら変わりはなかった。

 

イソベルもこれを淡々と受け入れているようだった。そして今回の件をきっかけに、商団が利益のために動こうとすれば多くの人々が被害を被るという事実に気付いたとし、冒険者にもそろそろ商団を離れた方がいいと言った。つまりそれは、一方的な解雇通知であると同時に、以前のような冒険者の身分に戻るように、という意味だった。

 

この言葉を聞いた闇の精霊は、解雇という言葉に憤怒した様子だったが、「代わりにオレたちはカルフェオンで有名になった」とし、続けて「微かな歌声が風に乗って聞こえてくる」と言った。そしてその歌は詩人たちが自分たちの活躍を褒めているに違いないと言い、冒険者を都心のどこかへと導いていった。

 

「だから、誰もそれぞれの正義を責めることはできない。ここは権力の都市、都市だからな」- ポビオス

 

▲ こうしてシアン商団だった商団員は、再び冒険者の身分へと戻ることになった。

 

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