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GMノート [GMノート] 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #5 - セレンディア地域・下編
黒い砂漠 2021-08-27 18:00
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黒い砂漠ストーリーガイド - 一気に読む総まとめ 

※ 本ストーリーガイドは海外のサーバーで黒い砂漠を楽しんでいる冒険者様、「ユ・ジェウ」さんの経験を基にご本人がご自身で作成した投稿であり、原作者のご同意を得たうえで原本を翻訳した内容です。

原文:https://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=231491&site=black

 

バレノス地域から続く黒い砂漠4番目のストーリーはセレンディアで広がっていきます。現在、セレンディア地域には全部で3つの依頼分岐があり、ここでユーザーはどんな分岐を選択するかによって、少しずつ異なるストーリーを体験することになります。

 

セレンディア地域クエストでは、カルフェオンとの戦争で敗北した後、ハイデルが受ける圧力とそれぞれの事件の間で頭を抱えるクルシオ領主の姿を垣間見ることができます。また、本格的に広がる侍従長ジョルダインの話、カルフェオン貴族とハイデルとの間の権力争いの話が興味深く繰り広げられます。

 

セレンディアの旅 - (上)では、まず「分岐登場以前の共通ストーリー」と「分岐1 - 商団長の訴え」をテーマに扱います。そして、残りの分岐2と分岐3の内容は、「セレンディア地域・下編」で扱う予定です。

 

▶黒い砂漠 ストーリー#1 - 年代記・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #2 - 年代記・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #3 - バレノス地域へ

▶黒い砂漠ストーリー #4 - セレンディア地域・上編へ

 

※ メイン依頼、NPCの会話、知識などを参照して作成しました。

※ 分岐が出てくるのは、ユーザーの選択に応じてエピソードが異なる部分です。

※ ストーリーの展開上、若干脚色している部分がありますが、ゲーム内の設定には支障ありません。

 

 

■ 分岐2 - これ以上聞きたくない!


廃城跡

侍従長ジョルダインの命を受け、アル・ルンディの農民反乱を制圧する
 
 

冒険者はリンチ農場のインプ問題を解決すると、組合長ボニー・ローレンのもとへと戻った。だが、闇の精霊は今さらボニー・ローレンの愚痴を聞く気もなく、これ以上商人たちの問題にかかわりたくはなかった。そこで闇の精霊は冒険者に「もっと広い世界を見るため」ハイデルの権力の核であるジョルダイン侍従長を訪ねてみようと言った。

 

ジョルダイン侍従長は「セレンディアの力になりたい」と言って突然やってきた冒険者を見ると、興味を示した。ジョルダインは冒険者のように覇気のある者を嫌うタイプではなかったし、セレンディアを助けようとする者なら十分に利用できると考えた。そこで彼は、まず冒険者にセレンディアで一番重要な穀倉地帯である「モレッティ農場」に行くようにと言った。現在、モレッティ農場には「アル・ルンディ」という盗賊団が出没するというのだ。

 

アル・ルンディはもともとセレンディア南部の農家に生まれた純粋な青年だった。しかし、セレンディアが密かに軍需物資を集めるため過酷な取り立てを行うと、苦しむ農民たちの姿を見て無視できなかったアル・ルンディは、これに抗議した。するとその日、誰かが放った火によりアル・ルンディの畑と家が全焼してしまったのだった。この日以降アル・ルンディは突如姿を消し、その後、武装集団の首長となって廃城跡近くに現れたという。

 

▲ 分岐2で冒険者はジョルダインを訪ね、任務を受ける。

 

一方、冒険者はジョルダインに言われた通り、モレッティ農場の主人メルシアン・モレッティに会いに行った。しかし彼女は、今まで何人もの通行人からアル・ルンディに関する質問をたくさん受けてきたので、これ以上アル・ルンディについて何も話すことはないとし、エルバーノ・ティトに会いに行ってみるようにと言った。

 

ティトは、アル・ルンディの反乱を止めるため東部関所に駐屯している隊長だった。事前に手紙で冒険者が来ることを知らされていたティトは、反乱軍が中途半端に軍事集団化していることを危惧しており、冒険者に偵察に行ってほしいと頼んだ。

 

冒険者の目にもアル・ルンディ反乱軍は、ティトの言う通りある程度の勢力を持っているように見えた。南部山脈に沿って張られたバリケードとその上の丘にそびえ立つ高い監視塔が、通ろうとする部外者を遮断していた。そしてその間に、剣と弓で武装した反乱軍の姿が見えた。

 

▲ アル・ルンディが率いる反乱軍兵舎の様子

 

冒険者はティトに言われた通り、反乱軍の駐屯地を巡回しながら入念に偵察し、反乱軍の一部を減らして兵舎や補給品などを破壊した。そして東部関所に戻ると、自分が見たものを全てティトに報告した。

 

するとティトは突然、自分の向かい側にいる厩舎番を見ろとこっそり目くばせした。あとになって分かったことだが、東部関所にいる厩舎番ロレーナは、アル・ルンディ反乱軍を支援するスパイだった。

 

ティトはこれまでロレーナがスパイであることを知りながら、わざと知らないふりをしていたのだ。だが、そろそろロレーナを利用する時が来たと判断したティトは、冒険者に「ロレーナに嘘の情報を流してアル・ルンディをおびき出そう」と言った。ティトはアル・ルンディと同じく農民出身のため、以前からアル・ルンディの性格をよく知っていた。彼は一度信じた相手の情報を疑うことは決してないはずだった。そのため、ティトは自分の兵士を呼び、わざと戦闘を準備しているかのようにせわしなく動いてほしいと注文した。

 

そして冒険者は時を見計らい、厩舎番のロレーナにそっと近寄っていった。案の定、ロレーナは兵士たちの慌ただしい様子を見て、冒険者に何があったのかと尋ねた。冒険者はティトの指示通り、「ティトが精鋭兵を率いて奇襲する」という偽の情報をロレーナに流した。この情報を得たロレーナは、驚きを隠して咳払いをし、戦線に出ていない者が武器を持っていたので、気になって聞いてみただけだと言葉を濁した。

 

▲ アル・ルンディのスパイ、厩舎番のロレーナ

 

あとはロレーナがアル・ルンディに偽の情報を伝えるのを待つだけだった。アル・ルンディは、ティトの相手をするため確実に自ら姿を現すはずだ。そうして冒険者と闇の精霊はアル・ルンディが現れるであろう場所に赴くことになり、冒険者は闇の精霊について行った廃城跡の奥深くで黒い亀裂を発見した。すると、アル・ルンディが黒い亀裂から姿を現した。

 

しかし、黒い亀裂から登場したアル・ルンディは、すでに普通の農民軍の姿ではなかった。彼は一般の成人男性に比べて背が二倍ほど高く見え、不気味な骸骨を連想させる兜を被った姿で人の背丈ほどの剣と槍を振り回した。さらにアル・ルンディの部下数人も、冒険者に飛びかかると攻撃をしてきた。

 

冒険者は、怪物のように変わってしまったアル・ルンディを始末せざるを得なかった。他のボスたちと同じように冒険者はうまく戦闘に臨み、結局アル・ルンディは冒険者の手によって倒されてしまった。

 

▲ 闇の亀裂から登場したアル・ルンディ

 

ティトはアル・ルンディが片付いたという知らせを聞くと、大喜びをして高らかに笑った。彼は、これで反乱軍の残党を粛清することだけが残ったとし、おかげで指揮官の座を確保できると話した。そして冒険者には自身が作成したアル・ルンディの粛清報告書を持ってハイデルのスキル教官「クルムホルン・ウィルムスベイン」に渡してほしいと言った。

 

報告書を受け取ったクルムホルンは、反乱軍の掃討が思ったより早く解決したとし、非常に満足そうだった。そして冒険者を見て、本当に立派な人材だと言い、直接ジョルダイン侍従長にお会いしようと話した。

 

冒険者はジョルダインに会って東部関所での成果を報告する一方、農民たちが経験している苦難についても話をした。しかし、ジョルダインは冷静だった。彼は農民の苦難は理解するが、ハイデルが崩れればその苦しい人生さえ享受することができないとし、「勝利のその日」が来れば、この全ての苦難は忘れられると言った。

 

▲ アル・ルンディを処断したエルバーノ・ティト


セレンディア抽出場

ドーソンを利用したジョルダインの策略と古代遺物に狂ってしまった湿原ナーガ

 

 

ジョルダインは、アル・ルンディを制圧した冒険者に次の任務を与えた。ジョルダインは以前から抽出場にいるカルフェオンの管理人、ドーソンを非常に目障りだと感じていた。そこでジョルダインは冒険者に自らが書いた文書を持って北西部関所の「ロマーノ・プロスペロ」のもとを訪れるようにと言った。

 

あとで分かったことだが、ロマーノはジョルダインの命令で抽出場に大量の火薬を密かに保管していた。これは、ハイデルがカルフェオンを狙うため密かに備蓄している戦争物資の一つだった。しかし、ロマーノはこの事実をカルフェオンの管理人ドーソンが気付いてしまうのではないかと心配していた。そこでロマーノは、ドーソンには火薬の話を伏せてジョルダインの手紙だけ渡すようにと言った。

 

冒険者から受け取った手紙を読んだドーソンは顔をしかめると、「黒結晶の取引」については、以前も話した通りに先送りしたいと言った。今はまだカルフェオンに送る生産量が十分ではないというのが理由だった。ジョルダインはその間、ドーソンに密かに連絡して取引を持ちかけ、カルフェオンに送る黒結晶の一部をこっそり奪っていたのだ。ドーソンもまた、セレンディアの谷に自分を送ったカルフェオン議会に対してある程度不満があったため、ジョルダインの誘惑に惹かれたわけだ。

 

しかし、これは単なる秘密取引ではなかった。ジョルダインは、ドーソンにわざと秘密取引を提案することでドーソンの注意を分散させ、彼が抽出場に隠していた火薬を発見できないようにしようと考えたのだった。

 

▲ ジョルダインは抽出場の近くに密かに火薬を隠していた。写真はこれを守っているディラノア

 

ところが、その時だった。闇の精霊はふと、周りから漂う新鮮なにおいを感じ取った。そして、冒険者に「この周辺に何があるのかドーソンに聞いてみよう」と言った。ドーソンによると、この周辺はナーガの棲息地らしいが、ちょうどナーガを退治しに出た兵士たちが消息不明なので、冒険者に確認してきてくれないかと頼んだ。

 

冒険者はドーソンに言われた通り、ナーガの棲息地へと向かい、抽出場の方を覗いているナーガたちを退治していった。そしてドーソンが言っていた兵士たちを発見したが、彼らは負傷し、抽出場の古い建物の上でかろうじて息をついている状態だった。兵士たちは冒険者がナーガの数を減らしたことに対して礼を言うと、一つ変なことを口にした。ナーガたちは孤立した兵士たちに気付いていながら、まるで何かに気を取られているかのように、これといった動きを見せないというのだ。

 

その時闇の精霊は、ナーガたちが今「抽出場の真ん中にある島をしきりに眺めている」と言った。そこにナーガたちの気を引く何かがあるに違いない。

 

▲ 孤立した兵士たち

 

抽出場の真ん中に向かった冒険者は、巨大な正八面体の古代遺物を発見した。案の定、その隣ではエダンがナーガと戦っており、ヤーズは草むらの中に隠れてけがをした住民の治療にあたっていた。エダンに命を救われたその住民によると、ナーガ族があの遺物を見て突然乱暴になったという。エダンはナーガを落ち着かせようとしたが、容易ではなかった。ナーガたちは、その遺物の力を使って自分たちの住居地を奪ったフォガン族を追い出そうとしていたのだ。

 

しかし、浮かれた闇の精霊が一瞬の隙を突いて遺物に飛びついた。遺物を横取りしようとする闇の精霊に気付いたナーガは、身を投げ出して防ごうとしたが、一足遅かった。正八面体の形をした遺物が四方に広がると、一瞬にして時間が止まり、古代人の声が響き渡った。そして、遺物の力を吸収した闇の精霊は、より恐ろしい姿に変わっていた。一目見ただけでも十分に強いことが分かる姿だった。

 

この一部始終を見守っていたエダンは、冒険者が闇の精霊の力に飲み込まれなかったことは不幸中の幸いだったかもしれないと話した。しかし闇の精霊は、そんなエダンの言葉をまったく聞いていなかった。闇の精霊は冒険者に「いつまでここでエダンとおしゃべりしているつもりか」と言い、ロマーノがまた冒険者を探しているから早く行こうと急かした。

 

▲ ナーガに襲われた住民を治療するヤーズとエダンの姿


オークキャンプ

セレンディアの悩みの種であるレッドオークを討伐する

 

 

ロマーノは、冒険者の実力にジョルダイン侍従長がとても満足していると言うと、冒険者に次の任務を言い渡した。今回の任務は、セレンディア南西部のザビエロ・ヴィッテロを手伝ってレッドオークを討伐することだった。

 

冒険者は言われた通りに南西部関所へと向かった。ところが、長い間そこを担当していたザビエロ・ヴィッテロは、レッドオークを討伐するのに苦労しているようだった。レッドオークはフォガンやナーガ族よりも組織的で、その何倍も暴力的だったのだ。レッドオークとの戦いにうんざりしていたザビエロ・ヴィッテロは、自身が捕虜として捕まえた一頭のレッドオークを説得してみようと言った。

 

冒険者はザビエロに言われた通り、捕虜にされたオークに「降参したならお前も仲間たちも助けてやろう」と話した。だが、今さらこうした「脅迫」が通用するはずがなかった。レッドオークから返ってきたのは、あざ笑うかのようなうなり声だけだった。

 

▲ 南西部関所に捕まっているレッドオーク捕虜

 

残された道は、本格的な討伐だけだ。ザビエロによると、現在、戦場にはレッドオークについて誰よりも詳しい「専門家」が派遣されているらしい。しかし、彼に会う前に補給馬車を確認しに向かった偵察隊の消息が不明のため、彼らの行方を知らせてほしいと言った。

 

冒険者は、西部の崖の近くでレッドオークに囲まれている兵士たちを見つけた。レッドオークを一気に退治した冒険者は、偵察隊と補給馬車がすでにレッドオークの襲撃を受けてかなりの被害を被っていることに気付いた。何とか生き残った偵察隊は、レッドオークたちに連れ去られた補給兵「サラ」をどうにか助けてほしいと頼んだ。

 

これを聞いた冒険者は、すぐに補給兵としてレッドオークの棲息地へと向かった。そうして数え切れないほどのレッドオークを始末している最中に、岩と草むらの間でうつぶせになっているサラを見つけた。彼女は負傷し、命からがら逃げ出して隠れているようだった。

 

▲ レッドオークに連れ去られ負傷したサラ

 

彼女は冒険者を見て安堵したようだった。そして、現在のオーク族の状況を説明してくれた。彼女によると、現在のオーク族はオークメイジとオーク戦士たちが指揮をとっており、まずは彼らを退治しなければ、オーク討伐計画は水の泡になるだろうとのことだった。そのため、彼女はまずは彼らを始末してから「オーク専門家のバーディー」に会ってみるようにと言った。

 

そうして冒険者はオークメイジとオーク戦士らを退治し、古い建物の下でレッドオークを捕虜にしているオーク専門家でありハンターでもあるバーディーに会った。するとバーディーは、オークメイジとオーク戦士たちが倒れて指揮体系が崩れた隙を狙い、全面戦争へと踏み切るべきだと言った。

 

冒険者はバーディーに言われた通り、右往左往するレッドオークたちを殲滅させていった。冒険者が通り過ぎた道にはレッドオークの死体で溢れかえるほどだった。それだけでなく、冒険者は以前レッドオークとの戦闘で命を落とした兵士たちの名札を回収するという偉業も成し遂げた。

 

バーディーはレッドオーク相手に収めた大きな勝利に満足し、冒険者のこの活躍を報告するつもりだと話した。そして、あとのことは自分と支援軍に任せてくれと言うと、冒険者を帰らせた。

 

▲ セレンディアのオーク専門家でありハンターでもあるバーディー

 

しかしその時、闇の精霊はオーク専門家であるバーディーも気付いていない何かを感じ取っていた。闇の精霊は「この周辺にとても強い存在を感じる」と言うと、冒険者をどこかに導いた。闇の精霊について行った先には、やはり黒い亀裂があり、冒険者はそこからオークのボス「貪欲のオルグ」を引っ張り出した。オルグは巨大な体と醜い顔をしたオークメイジで、杖を持って呪文を唱えると、ファイアボールを作り出した。

 

思いがけない熱い攻撃に冒険者はかなりの苦戦を強いられたが、オルグの張り裂けそうな腹を目がけて冷静に攻撃を加え、無事オルグを倒すことに成功した。この冒険者の力強い姿に非常に満足した闇の精霊は、そろそろジョルダイン侍従長のもとを離れ、新しい冒険に繰り出す時がきたと言った。こうして冒険者は闇の精霊に導かれ、カルフェオンに行く途中の要所である「デルペ騎士団城」へと向かった。

 

▲ レッドオークのボス、貪欲のオルグ

 
■ 分岐3 - それぞれの事情

黄金ヒキガエル旅館

シアン商団支部長、イソベル・エンカロシャーに会う

 

冒険者はリンチ農場のインプ問題を解決すると、組合長ボニー・ローレンのもとへと戻った。しかし、リンチ農場は大騒ぎのあとで代金を支払う能力がなく、ローレン商人組合は依然としてカルフェオンシアン商団の元金を返すことができずにいた。ボニー・ローレンはこの現実に頭を抱えながら、あらゆる不満を並べ立てた。闇の精霊はこのようなボニーの姿にうんざりしたのか、片方の話だけを聞いて判断することはできないとし、シアン商団の話も一度聞いてみてはどうかと提案した。

 

しかし、商団支部長のイソベル・エンカロシャーは聞く耳を持たなかった。彼女は「ボニー・ローレンのために言い訳を並べるのなら遠慮する」とし「忙しいから後で来るように」と冒険者を突っぱねた。これを見た闇の精霊は、冒険者の耳に向かって「ものすごく生意気な女だ」と言って笑うと、「イソベルがハイデルに宝石細工を依頼したようだから、彼女の代わりに宝石を受け取ってこよう」とささやいた。

 

冒険者は闇の精霊がなぜそんなことを知っているのか疑問に思ったが、とりあえず闇の精霊に言われた通り、ハイデルの水晶商人ドーラ・ポンティに会いに行った。しかし、宝石を代理で受け取りに来たという冒険者をドーラ・ポンティが疑わないわけがなかった。宝石は非常に高価であるうえ、以前にも代理受領をしに来たと言って宝石を横取りする泥棒がいたからだ。だが、冒険者は宝石を預けたイソベル・エンカロシャーの名前を正確に言い当ててドーラの疑いを解き、宝石を受け取るとイソベルがいる黄金ヒキガエル旅館へと戻った。

 

▲ ハイデル水晶商人ドーラ・ポンティ

 

イソベル・エンカロシャーは、何も言っていないのに宝石を持ってきた冒険者を見て訝しがったが、同時に少し興味を持ったようだった。そして、そこまでして自分に言いたいことは何なのかと聞いた。

 

そこで冒険者が「なぜボニー・ローレンを苦しめるのか」と問うと、エンカロシャーはあきれたように「お金を貸した人と借りても返さない人、どちらが過ちを犯していると思うのか」と反問した。そして、ハイデル商人組合がストを行ったのは、能力のないボニー・ローレンと過度な課税を行ったジョルダイン侍従長のせいだと主張した。そのうえ、彼らはハイデル市民の不満をシアン商団のせいにしていた。

 

話しながら冒険者の格好を見て外から来た人間であることに気付いたイソベル・エンカロシャーは、冒険者にシアン商団のために働くつもりはないかとそれとなく尋ねた。あれこれ問題を解決しなければならないのに、正式に傭兵を使うには周りの目が気になっていたからだ。それに、自分の気を引いた冒険者の度胸もかなり気に入っていた。

 

イソベルの隣には無視できないほど巨大なジャイアントが一人いたが、彼はポビオスといって、イソベル・エンカロシャーの右腕のような存在だった。冒険者は、ポビオスからシアン商団のための最初の手伝いを引き受けた。

 

ローレンの商圏組合がストを行った理由は、簡単に言えば、ジョルダイン侍従長が血税を搾り取ったためだった。ポビオスは、この事実にまだピンと来ないのなら東部関所に行って血税に疲れた農民たちの反乱を見てくるようにと言った。また、そこには反乱を擁護する「ロレーナ」という人物がいるので、会ってみればよく分かるだろうと付け加えた。

 

▲ イソベル・エンカロシャーの右腕、ポビオス


廃城跡

シアン商団とアル・ルンディとの関係、そして明かされる商人組合長ボニー・ローレンの秘密

 

 

冒険者は、廃城跡周辺を守っている東部関所の厩舎番ロレーナに会いに行った。ロレーナはシアン商団を代弁しに来た冒険者を見て、反乱を見守る自分の視線について話した。ロレーナをはじめとするハイデル農民たちは、現在、東部関所で起きていることを反乱というより、「革命」だと考えていた。そして、住民から血税を搾取し、カルフェオンに代金を借りたハイデル政府を恨み、期待することをやめた。商人組合長のボニー・ローレンと侍従長のジョルダインは、そのような農民たちの恨みを理解できず、かえってこれを弾圧するためにティト隊長を送った。

 

ロレーナは冒険者に、カルフェオンのシアン商団を代表してエルバーノ・ティト隊長に「農民の生活に目を向けてほしい」という言葉を伝えてほしいと頼んだ。しかし、ティト隊長はその話を聞くと鼻であしらい、逆に侍従長が住民の血税を搾り取っているという嘘に惑わされてはならないと忠告した。そして今、ハイデルを圧迫して混乱を助長し、金を絞り出そうとしているのは、カルフェオンのシアン商団だと反論した。

 

またティト隊長は、金にならないことには動かないシアン商団がここまで来たことを考えると、「彼らがアル・ルンディと内通しているのかもしれない」と疑った。ところが、ちょうどその時、シアン商団支部長のイソベル・エンカロシャーが東部関所に到着し、冒険者はティトから追い出されるようにイソベルのもとへ向かった。

 

▲ 東部関所の景色

 

ところが、冒険者はイソベルから衝撃的な話を聞かされた。ティトの疑いが当たったのだ。農民反乱軍の隊長アル・ルンディは、カルフェオンのシアン商団が支援している人物で、イソベルは投資家の立場として彼に一度会う必要があった。しかし、最近になってアル・ルンディが理性を失いうわごとをつぶやくなどの問題が生じたが、シアン商団が反乱軍を支援しているという事実は反乱軍内部でも一部の指導層しか知らない事実であったため、イソベルが自らアル・ルンディのもとへ赴くのは危険な状況だった。

 

そのためイソベルは、冒険者に反乱軍を力で押さえつけるよう依頼した。しかも、冒険者をハイデルの傭兵だと言って騙し、反乱軍をできるだけ無慈悲に討伐するよう求めた。これは反乱軍のハイデルに対する反感をさらに強めると同時に、自身がアル・ルンディに会うための道を切り開く一石二鳥の策だった。

 

冒険者はイソベルの言う通り、アル・ルンディ反乱軍の陣営に飛び込んでいった。そして反乱軍を数人始末すると監視塔や旗などを破壊し、反乱軍を混乱の渦に陥れた。そうして戦場を駆け巡っていた時、闇の精霊は廃城跡の高い所にうずくまっている一人のハイデル兵士を発見した。その兵士は異様なほどに怯えていたが、冒険者はそんな兵士にここで何が起こったのかと尋ねた。

 

▲ 廃城跡に潜むハイデル兵士

 

ハイデルのティト隊長は、すでにアル・ルンディを一度捕えかけていた。彼は反乱軍の兵士数名を味方につけ、アル・ルンディが使う井戸に毒を入れさせたのだ。その後、ティトに内通する兵士たちの案内で悠々とアル・ルンディのねぐらに忍び込み、毒を盛られたアル・ルンディはティトの目の前で血を吐くと倒れてしまった。

 

ティトは目の前で意気揚々とアル・ルンディを挑発した。アル・ルンディは血を吐きながらも自分の兵士がこんなことをするはずがないと怒りを露わにした。ところがその瞬間、憤慨するアル・ルンディの手から、突然赤黒いオーラが立ち上った。アル・ルンディは「この力でお前を呪ってやる」と言うと、その大きな身体をゆっくりと起こした。その様子を見たティトは、恐怖におののき後ずさりした。

 

今や黒い霧は、アル・ルンディの身体を覆い尽くすほど巨大になっていた。アル・ルンディはまるで怪物のように咆哮し、ティトはその姿を見て驚きたじろいだ。アル・ルンディは、もはや人間の状態ではなかった。

 

その頃、廃城跡で震えていたハイデル兵士は、引き返すこともできず反乱軍から逃げてその身を隠していた。彼によると、狂ってしまったアル・ルンディは敵味方関係なく手当たり次第に殺しまくり、城跡を飛び出して森のどこかに消えてしまったという。これは今、アル・ルンディが冒険者と同じような黒いオーラを持って暴れているという意味だった。

 

▲ 血を吐いて倒れたアル・ルンディと意気揚々としたエルバーノ・ティト

 

ハイデル兵士の話を聞いた闇の精霊はクスクスと笑い、冒険者に黒いオーラと同化してなお、正常な思考を保つことがどれほど難しいかについて語った。闇の精霊と同化しても精神がしっかりしている冒険者は、かなり特別なケースなのだった。アル・ルンディを正気に戻すには、冒険者が自ら彼を制圧しなければならなかった。

 

闇の精霊と冒険者は黒い亀裂を利用し、狂ってしまったアル・ルンディを召喚した。予想通り狂ってしまったアル・ルンディは、巨大な槍と剣を振り回しながら冒険者に突進してきた。冒険者はそんなアル・ルンディを我に返らせる程度に殴りつけ、ようやく制圧した。やっと正気を取り戻したアル・ルンディは、まるで悪夢を見ていたようだと言い、本当に自分がそんな殺戮を行ったとは信じられないと話した。しかし、依然としてアル・ルンディはジョルダインとボニー・ローレンが罷免されるまで農民の希望となるよう戦い続けると誓った。

 

また彼は、正気に戻してくれた冒険者に有益な情報を与えてくれた。ある一人の兵士が、エルバーノ・ティト隊長と商人組合長ボニー・ローレンが密会しているところを見たというのだ。これは確かに、二人の間に何か関係があることを物語っていた。

 

冒険者は新たに知ったこの事実を東部関所のイソベルに伝えた。これを聞いたイソベルは、全ての状況をカルフェオン議会に伝えるようポビオスに命じると、ボニー・ローレンを追及する証拠を見つけるためティトの所持品をくまなく探してみなければと言った。そして冒険者に乾燥した火炎鱗の花の根の粉を渡すと、ティトの前でこっそり撒くようにと指示した。

 

エルバーノ・ティトは近付いてくる冒険者を見て、「前にも言った通り、首を突っ込むな」と詰め寄った。しかし、その間に冒険者は火炎鱗の花の粉をこっそり空気中に撒いていた。すると、間もなくティトがくしゃみをし始めた。冒険者は、そんなティトを親切に助けるふりをしながら、彼のポケットにあった伝書を密かに盗み出した。

 

▲ ティトのくしゃみを誘発し、助けるふりをして伝書を盗み出した。

 

イソベルは、冒険者が持ってきた巻物を広げると読み上げた。驚くべきことに、それは商人組合長のボニー・ローレンがエルバーノ・ティト隊長に送った手紙だった。

 

「租税への抵抗が強いと聞いた。だが、これも全て大義のためだ。厄介者のアル・ルンディが農民をけしかけているが、手遅れになる前に火種を絶やさねばならない。もし彼らを助ける住民がいたなら、手本を見せてほしい。恐怖を感じれば、税金への抵抗も少しは減るだろう。忘れないでくれ。歴史は勝利した者の味方だということを。そして、勝つためには資金が必要なのだ。もちろん大変なことは分かっている。しかし、ジョルダイン様直々の指示であるから、しっかり処理するように」

 

この調書によって、全てが明らかになった。ボニー・ローレンはジョルダインが課した税金のせいで苦しんでいるのではなかった。彼はむしろジョルダインを助ける手先だったのだ。ローレンは、カルフェオンシアン商団の前ではまるで租税のせいで苦しんでいるかのように振る舞い、陰ではジョルダインの租税を助けていた。そうして起きた農民の反乱は、ティト隊長を前面に押し出すことで鎮圧に成功した。

 

イソベルは、ローレンがこのように忠誠を尽くすのは単なる忠誠心のためではなく、必ず何かしら商人組合が得る利益があるからだと考えた。次にすべきことは、この証拠を持って黄金ヒキガエル旅館へ戻り、ボニー・ローレンを追及することだった。

 

▲ ティトとボニー・ローレンの関係を解き明かすイソベル

 

しかし、ボニー・ローレンはイソベルが差し出した伝書を見ても何のことかとしらを切り、むしろ自分たちをどこまで責めれば気が済むのかと被害者のふりをし続けた。また、シアン商団は侍従長とティト隊長、そして自身を侮辱しているとして、争う姿勢を見せた。

 

しかし、カルフェオンの貴族家門であるイソベルは、さすがに手ごわかった。彼女は、すでに借金を返せるだけの金は十分に持っているはずだとローレンを問いつめた。そして、住民から搾取して革命軍を抑圧しているくせに被害者のふりをするなと咎めた。

 

ローレンはイソベルに責められても態度を変えず、自分は住民から搾取したこともなく、税金も正当であると主張した。するとイソベルは、この伝書を公開すればセレンディア全域で多くの人々が黙っていないだろうとローレンを脅した。もうどうしようもなかった。伝書が出てきた以上、たとえその内容が嘘だと主張したところで反乱は避けられないだろう。この戦いの勝利は、すでにイソベル・エンカロシャーの手にあった。

 

▲ カルフェオンから来た貴族イソベルとハイデル指導部の熾烈な暗闘を描いている。


グリッシー村、南部警備キャンプ

シアン商団の交易路を確保し、保護協定を結ぶ

 

イソベル・エンカロシャーは、ローレンにシアン商団と自分を甘く見た代償を払わせてやると言い、自分がここで仕事を処理している間、冒険者にもう一つ仕事を頼んだ。カルフェオン領地とセレンディアを結ぶ南西部関所を通過する貿易馬車が謎の攻撃を受けており、調査が必要だというのだ。この南西部関所は、抽出場で採れた黒結晶やハイデル南部の農場で生産した交易品などをカルフェオンへ運ぶための要衝であった。

 

冒険者が南西部関所付近のグリッシー村に到着すると、そこにはすでにイソベルの右腕、ポビオスの姿があった。ポビオスは遅れた冒険者を軽く叱ると、シアン商団の馬車が攻撃される理由を突き止めなければならないと言った。

 

しかし、グリッシー村の人々がカルフェオンシアン商団に好意的であるはずがなかった。冒険者は村長フレハラウのもとを訪ねたが、彼は村が飲み水すら不足している状態だとし、これ以上煩わせずに帰ってくれと言った。そして最近転覆したシアン商団の馬車は、セレンディア兵士の仕業ではなくグリッシー村付近にいるナーガとフォガンの仕業だろうと付け加えた。

 

これを聞いたポビオスも、この小さく力のない村がカルフェオンの貿易馬車に手を出すはずがないとし、ナーガとフォガン族を退治しようと言った。ナーガとフォガンを追い出す代わりに、それ相応の報酬を受けようと考えたのだ。

 

▲ グリッシー村の問題を解決するポビオス

 

グリッシー村は、チェイサルという隊長が警備を任されていた。冒険者は交渉してくるようにというポビオスの命令を受け、チェイサルのもとを訪れた。しかしチェイサルは、フォガンとナーガを退治するというシアン商団の話を聞くと訝しがった。これまでのシアン商団は、善行より利潤を求める集団だったからだ。結局チェイサルは村で処理するから帰るようにと断った。

 

冒険者は交渉を続けるため、仕方なく多少の譲歩案を提案することにした。ナーガとフォガンを追い出す見返りとしてシルバーを受け取ったり、カルフェオンに忠誠を誓うよう求めるのは到底無理に思えた。そして実際、今回の問題は貿易馬車が意図せず攻撃を受けて起きたことであり、今後こんなことが起こらないように交渉するだけでも十分だと思われた。そこで冒険者は、「ナーガとフォガンを追い出す代わりに、今後シアン商団の馬車を保護してほしい」という交渉案を提示した。

 

チェイサル隊長も、その程度の提案なら受け入れるに値すると考えた。シアン商団がナーガとフォガンを追い出せば村の飲み水問題も解決するはずであり、貿易馬車を保護するくらいのことは十分に可能だった。

 

▲ 選択肢をしっかり選んでチェイサルとの交渉を成功に導かねばならない。

 

交渉案を受け入れたチェイサルは、冒険者にグリッシー村周辺の現状について説明した。現在ナーガとフォガンが村の北部と南部で領土争いを繰り広げており、本来この沼地は全てナーガのものだったが、どこからかフォガン族がやってきてナーガ族を追いやったという。するとフォガンの数がどんどん増えていき、今では制御できないほどになってしまった。そのためチェイサルはナーガよりフォガン族を追い出すことが急務だとし、南部警備キャンプに行ってマウル隊長に会うようにと言った。

 

冒険者が南部警備キャンプのマウル隊長を訪ねると、なんと隊長は可愛らしいシャイ族だった。しかもマウルはフォガン族を追い出すのではなく、むしろ彼らと仲良くしようとしており、フォガン族の言語を習得すれば十分に彼らと交渉することができるはずだと言った。

 

しかし、キャンプ周辺にいる兵士たちの多くは、そんな馬鹿げたことを言う隊長を嘆かわしく思っていた。数名の兵士に至っては、なんの考えも無しに兵舎で横になり暇を持て余しているだけだった。冒険者はそんな兵士たちを後にし、フォガン地帯を一望できる高所に登ると周囲を見渡した。するとフォガンの群れは雑然とした南部警備キャンプとは違い、懸命に戦闘の準備に勤しんでいるようだった。本当にこのままキャンプが攻撃されればどうなるか、結果は火を見るより明らかだった。

 

▲ 馬鹿げたことを言う隊長とやる気のない兵士たち

 

闇の精霊は、マウル隊長がフォガンの言語に興味があるなら、群れから離れたフォガンを一匹捕まえてプレゼントしようと言った。そこで冒険者は一匹のフォガンを挑発し、南部警備キャンプ付近の木製監獄へ誘い込んだ。間抜けなフォガンは冒険者に乗せられまんまと罠にはまり、監獄へ閉じ込められた。

 

マウル隊長は冒険者が連れてきたフォガンを見て「なぜ今までこれが思い浮かばなかったんだ!」と言い、これで本格的にフォガン言語の研究ができると喜んだ。マウルは、これからフォガンを見に行くので沼地のフォガンたちは自由にして構わないと言うと、彼らにはボスがいるから気を付けるようにと付け加えた。

 

冒険者はそんなマウル隊長の様子を見て、むしろ沼地を自由に見て回れるのでラッキーだと思った。そしてフォガンたちが生息する沼地へ入り、フォガンたちを狩るとその数を減らし、散在しているシアン商団の物品も回収した。フォガンを何匹倒したのか数も分からなくなってきた頃、闇の精霊が現れてフォガンのボス、ティティウムについて話し始めた。実際、フォガンが減っているようには見えなかったため、冒険者も彼らの隊長を屈服させて勢いをくじく方が得策だと考えた。

 

▲ 木製監獄に閉じ込められたフォガン。これを見てマウル隊長は喜んだ。

 

そうして冒険者は黒い亀裂からプリンスオブフォガン、ティティウムを召喚した。ティティウムは巨大なヒキガエルに乗って猛烈な放水を浴びせかけたが、冒険者はものともせず、グリッシー村のチェイサルのもとへ堂々と帰還した。チェイサルは冒険者の実力を目の当たりにし、心底驚いた様子だった。そして、約束通り貿易路のシアン商団の馬車を最優先に保護しようと言った。

 

こうしてシアン商団とグリッシー村の交渉は成功し、これを見たポビオスは満足げな表情を浮かべると、自分は黄金ヒキガエル旅館に帰るので、冒険者にはナーガ族の動向をもう少し探るようにと言った。

 

今回の件はナーガを完全に追い払えという命令ではなかったため、冒険者はできるだけナーガとの接触を避け、抽出場を偵察した。そこには予想通り無数のナーガたちがおり、抽出場の中央には謎の古代遺物が佇んでいた。しかし、それ例外に特段目を引く物はなかったため、冒険者は黄金ヒキガエル旅館に戻ることにした。

 

冒険者がグリッシー村の仕事を処理している間、イソベルもまたハイデルで自らの仕事を着実に進めていた。彼女は冒険者が席を外している間にボニー・ローレンから黄金ヒキガエル旅館を買収し、金の問題を解決していたのだ。結局、彼女の思惑通りシアン商団がハイデルの中心商圏を占めることになり、あとはトリーナ騎士団の軍需品とハイデルの貢物をカルフェオンへ運ぶことだけが残された。

 

▲ フォガン族のボス、ティティウムに立ち向かう冒険者


ビラーギ山塞

イソベルのカルフェオン帰還を手伝う

 

 

彼女は多くの仕事を終え疲れた様子の冒険者に、カルフェオンへ向かう支度が整うまで休む時間を与えてくれた。このままハイデルを発つことになればまたいつ戻ってこれるか分からなかったので、冒険者はハイデルの旅館や噴水広場の雰囲気を満喫しながら、しばしの間羽を伸ばすことにした。本当に久しぶりの休息だった。

 

時が流れ、シアン商団がカルフェオンへ戻る支度が整った。目的地はレート家のノーマン夫人が運営する北部小麦農場だった。ちなみに、レート家はカルフェオンでエンカロシャー家並みに莫大な富を築き上げた貴族である。レート家とエンカロシャー家はそれぞれレート商団とシアン商団を運営しており、ある種の共存関係により成り立っていた。そこで今回カルフェオンに積んでいくハイデルの貢物の準備も、レート商団のノーマン夫人とシアン商団のイソベルが共同責任者として引き受けたのだった。

 

ところがその時だった。イソベルの右腕ポビオスが冒険者を呼ぶと、ポビオスはイソベルのための馬車がまもなく到着するが、冒険者が乗る場所がないはずだと言った。そして、ときどき北部中立地帯を襲撃するビラーギ山賊たちを事前に処理しておくようにと言いつけた。誰がどう見ても分かりやすく豪華なシアン商団の馬車が山賊たちに狙われることは分かりきっていたからだ。

 

▲ 冒険者はハイデル噴水広場で久しぶりの休息を楽しんだ。

 

冒険者はその足で北部中立地帯を守っている先鋒隊長に会いに行った。彼はそこでビラーギ山賊を食い止める任務を遂行していたが、事実上、今の兵力ではなんとか山賊たちの接近を阻む程度でしかないと話した。

 

冒険者はこの話を聞くと、一人でビラーギ山塞へ行き、山賊を討伐してみせると言った。先鋒隊長は驚きを隠せなかったが、隊長の固い決意を覆すことはできなかった。中にビラーギというボスがいるので特に彼には気を付けてくれと呼びかけた。

 

冒険者は先鋒隊長の話を聞いているのかいないのか、ビラーギ山塞の奥深くへと入っていった。実際のところ、闇の精霊の力を持つ冒険者にとって山賊など烏合の衆に過ぎなかった。冒険者は山賊の群れを倒し、彼らの指令書を奪った。ところがその指令書には、隠されていたの倉庫の宝についての記録があった。そこで冒険者は、闇の精霊の言う通りその宝を盗み出すことにした。

 

山賊たちの秘密倉庫は、駐屯地の中にある枯れた井戸の奥深くにあるという。一見なんの変哲もない井戸に見えたが、かけられているはしごを使って下まで降りていくと、不思議なことに広々とした部屋にたどり着いた。そこにはゴールドやシルバーが積まれていたが、中でも一番冒険者の目を引いた箱の中から「私の妻、ステラ」と刻まれたエメラルドリングを発見した。しかし、それ以外には特別な物は見つからなかった。

 

▲ 山賊たちの秘密倉庫の中に降りていく冒険者

 

闇の精霊は少し残念そうに、そろそろ隊長ビラーギを片付けようと言った。そして黒い亀裂を開き、ビラーギを召喚した。召喚されたビラーギは巨大な鉄槌を手に冒険者に飛びかかってきたが、まともに張り合うこともできず、力なく倒れた。

 

いとも簡単にビラーギを倒した冒険者は、先鋒隊長のもとへ戻った。北部中立地帯の先鋒隊長は、たった一人でビラーギ山塞へ入り悠々と出てきた冒険者の姿を見て驚きを隠しきれなかった。先鋒隊長は冒険者の正体を知りたがり、「一介の商団員がやったとは信じられない」と言った。

 

続いて彼は、冒険者がビラーギ山塞に入っている間に起こった事件について聞かせてくれた。彼が中立地域を守っている時、馬車に乗った金持ちそうな女がやってきて、冒険者のことを尋ねたという。そして、冒険者の安否を心配している先鋒隊長に向かって笑みを浮かべ、そんな心配は無用だと言い残し去っていったというのだ。彼は、もしかして彼女がかの有名な「イソベル・エンカロシャー」ではないのかと一人で騒ぎ立てた。

 

しかし闇の精霊は、そんな隊長の反応にはさして興味を示さなかった。闇の精霊は、自分たちもデルペ騎士団城へ向かおうと冒険者を急き立てた。そうして冒険者はカルフェオンへと向かうことになった。

 

▲ ビラーギ山塞の全景

 

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