
カボチャお化けは旅をしたかった。色んな土地の光景を見たかった。
然し自分の身体は余りにも小さく、足も遅かった。べリアの村を一周するだけでも大変な想いをしていた。
カボチャお化けはそんな自分の身体を憎らしくも、同時に情けなくも思っていた。
そんなある日、蒼い炎を纏った馬を見かけた。
「あれは確か冒険者が噂していた微睡みのドゥーム、あれに乗れば遠くまで早く行ける!」
カボチャお化けは早速とばかりに微睡みのドゥームに乗ろうと、小さい身体でよじ登ろうとした矢先――
ボ カ ッ !!
激しい衝撃と共にカボチャお化けの小さな体は凄い勢いで吹き飛ばされた。
それは微睡みのドゥームの後ろ脚の蹄による物だった、どうやらよじ登ろうとした際に機嫌を損ねた様だ。
暫く気を失ったカボチャお化けが目を覚ました時には、もう微睡みのドゥームは姿を消していた。
胸についた蹄の跡を見て、自分の頭が砕けなくて良かったと安堵すると共に、微睡みのドゥームに乗れなかった事が残念に思った。
そして彼は「自分の身の程」を痛烈な形で思い知らされた。やはり無理は良くないと痛感した。
「はぁ、冒険者みたいに馬に乗って旅をしたいなぁ……」
ハロウィンも近い晴れた秋の空を見上げ、カボチャお化けは寂しく呟いたのだった
スクリーンショット/映像
冒険に出て記録したスクリーンショットと映像を自慢できる掲示板です。