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GMノート 2021.09.10 18:40 (UTC+9) 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #7 - オージェの切ない恋の物語、カルフェオン分岐2編
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黒い砂漠ストーリーガイド - 一気に読む総まとめ 

※ 本ストーリーガイドは海外のサーバーで黒い砂漠を楽しんでいる冒険者様、「ユ・ジェウ」さんの経験を基にご本人がご自身で作成した投稿であり、原作者のご同意を得たうえで原本を翻訳した内容です。

原文:https://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=232795&site=black

 

黒い砂漠ストーリー7では、カルフェオン地域における分岐2の内容を紹介します。分岐2は分岐1と同じ視点から、全く異なる内容が展開されます。特に後半のケプラン領主の消えた娘オージェを探す物語は実に興味深いです。

 

オージェの家の物語は、ストーリー改編後に人物関係が明確になり、かなり面白くなった物語の一つです。特に寓話を見ているような展開と、感動的でありながらも切ないラブストーリーが用意されているので、一度選択してみるのもいいでしょう。

 

もし、以前のストーリーが思い出せなかったら、セレンディア地域への道のり(下)の分岐2を参考にしてみましょう。

 

▶黒い砂漠 ストーリー#1 - 年代記・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #2 - 年代記・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #3 - バレノス地域へ

▶黒い砂漠ストーリー #4 - セレンディア地域・上編へ

▶黒い砂漠ストーリー #5 - セレンディア地域・下編へ

▶黒い砂漠ストーリー #6 - カルフェオン地域・上編へ

 

※ メイン依頼、NPCの会話、知識などを参照して作成しました。

※ 分岐が出てくるのは、ユーザーの選択に応じてエピソードが異なる部分です。

※ ストーリーの展開上、若干脚色している部分がありますが、ゲーム内の設定には支障ありません。

 

 

■ カルフェオン分岐2 - 貪欲のオルグ退治後


デルペ騎士団城、クルトの洞窟

カルフェオン騎士団の傭兵となって敵を追い出す

 

 

ジョルダイン侍従長の命令でオークの脅威まで阻止した冒険者は、デルペ騎士団城が傭兵を探しているという広告を目にした。こうしてセレンディアを発つことを決めた冒険者は、闇の精霊の導きに従ってカルフェオンに行く途中にあるデルペ騎士団城へと向かった。

 

しかし、デルペ城は突然やってきた冒険者をすぐに傭兵として受け入れてはくれなかった。デルペ城を守っている警備兵は、冒険者の資格を試すため、城を襲撃したハーピーたちを退治し、その証拠として羽を集めてくるようにと言った。

 

これまでの道のりで鍛えられた冒険者にとって、ハーピーは手ごわい相手ではなかった。冒険者は戦場のど真ん中に飛び込み、城を襲うハーピーたちを始末しながら羽を集めた。そして、城壁の上方で熾烈な戦闘を繰り広げている先鋒指揮官マーガレットにその羽を見せた。目の前に積み重ねられた羽を見たマーガレットは、冒険者の実力を認めざるを得なかった。

 

デルペ騎士団の傭兵となった冒険者の最初の任務は、城の中に孤立した負傷兵たちを護送することだった。負傷兵たちは城の内部まで侵入したハーピーのせいで身動きが取れずにいたが、その姿を見て武器を取り出した冒険者は、すぐにハーピーたちの包囲網を破り、彼らを城外の安全な場所へ避難させることに成功した。

 

▲ 傭兵になる資格を試す警備兵

 

▲ 冒険者の初仕事は、負傷兵を安全な場所へ護送することだった。

 

▲ 城の奥まで侵入したハーピーたちの包囲網を破る冒険者

 

この姿を見た補給教官グランビルは、冒険者に心から感謝の意を表した。だがその一方で、トリーナ騎士団の無能さを非難した。トリーナ騎士団は、デルペ城とカルフェオンの間の要所でクルト族を討伐する任務を任されていたが、討伐が困難になると反対にデルペ城につながる護送経路を掌握されてしまったのだ。この事実にもどかしさを訴えたグランビルは冒険者に「騎士団指揮所を訪ねて彼らがいったい何をしているのか調べてほしい」と言った。

 

騎士団の指揮所は、敵の警戒と捕虜の救出を担当している救助隊の役割をする後方警戒所だった。そして現在、カルセノフ隊長と騎士団本隊は、クルトの洞窟の前に陣地を建てた状態だった。救助隊指揮官は冒険者に「クルトの洞窟の前でカルセノフ隊長に会う前に、クルト族に捕らえられた捕虜を救出してほしい」と言った。

 

冒険者は言われた通りにクルト族の陣営に忍び込むと、数名のカルフェオン兵士を助け出した。そして彼らと共に、クルト族と対峙中のカルセノフ討伐団長の軍隊を発見した。カルセノフは、兵士を救出した冒険者を大喜びで迎えた。そして、次の任務としてクルト族の本拠地である洞窟内に潜入してほしいと言うと、いくつかの指令書を渡した。この潜入任務における究極の目標は、クルト族の数を減らすことより、まずは彼らの堅固な防御線に混乱を与えることだった。

 

 

▲ カルフェオン - デルペ城の補給ルート。クルト族に道を閉ざされ、現在トリーナ騎士団が討伐に出た状態だ。

 

▲ クルト族の警戒と捕虜の救出任務にあたっている救助隊指揮官

 

▲ クルト刑務所を壊して兵士を救出する冒険者

 

▲ クルト族を退治して防御線に混乱を招いている様子

 

冒険者は周辺を守っているクルト族を退治し、洞窟内部に侵入した。そして、カルセノフから受け取った最初の指令書を広げた。その指令書には、クルト族が食べる食糧に「毒入りの粉」を入れるようにという内容が含まれていたが、これは名誉を重んじるトリーナ騎士団としてはやや卑怯なものだった。

 

カルセノフ団長もこれを認識していたが、戦争には勝者と敗者がいるものだとし、密かに行って処理してほしいと頼んだ。特にトリーナ騎士団には名誉を重視する貴族の子弟が多かったため、この仕事は異邦人である冒険者にしかできない仕事だった。

 

クルトの洞窟の中で異臭を放ちながら煮えたぎる鍋を見つけた冒険者は、周辺のクルト族を退治すると、鍋に毒入りの粉を放り込んだ。今度はカルセノフから受け取った二つ目の指令書を広げる番だ。二つ目の指令書には、巨大な槍を持ったクルト戦士たちを捜し出して退治するように、という内容が書かれていた。クルト戦士らが人の背丈ほどの大きな槍を振り回すため、怖がる兵士が跡を絶たなかったのだ。

 

そして最後の指令書には、クルトシャーマンを退治しろという内容が書かれていた。トリーナ騎士団がクルト族に長い間足を引っ張られていた理由は、まさに彼らが使う呪術のためだった。指令の内容を確認した冒険者は、洞窟内のクルト戦士と呪術師を捜し出し、次々と退治していった。

 

▲ 最初の指令。数的劣勢の戦いに勝つため、食糧に毒を入れるという多少卑怯な方法を選択した。

 

▲ 二つ目の指令。兵士たちの士気を下げるクルト戦士を退治する。

 

▲ 三つ目の指令。クルトシャーマンを退治する。

 

三つの指令を全て成功させた冒険者は、カルセノフのもとへ戻った。カルセノフは冒険者の活躍をとても喜び、これでクルト族を追い出すのは時間の問題だと話した。しかし、まだ一つ問題が残っているという。カルセノフによると、ケルカスというクルト族のボスが現れたというのだ。

 

ケルカスは、クルトの洞窟周辺の旧ダンデリオン地域にいた。ところが、ケルカスは移動するたびに地面が激しく揺れるほど大きな体の持ち主で、右手に持った棍棒は兵士たちを怖気づかせた「クルト戦士」よりも巨大なものだった。さらにケルカスがその棍棒を振り下ろすと、まるで風が引き裂かれるかのような激しい揺れが起きた。しかし、冒険者は猛烈に咆哮する相手に対し落ち着いて戦闘に臨み、闇の精霊の強力な力を借りてケルカスを倒すことに成功した。

 

カルセノフは、この世のものとは思えないケルカスの体格に驚いた様子だったが、これを倒した冒険者の力を見てもっと驚いたようだった。そしてしばらく考え込むと、先日ブリの森で不思議な形をした遺跡が見つかったという話を持ち出した。

 

▲ 巨大な体を誇るクルト族のボス、ケルカス

 

ブリの木遺跡

マルタ・キーンに会って古代遺跡の力を吸収する

 

 

先日ブリの森で不思議な遺跡が発見されて以来、そこから得体の知れない黒いオーラが噴き出していた。ところが、そのオーラに取り憑かれた冒険者や動物たちは異常な力を持った怪物になってしまうという噂が流れ、これを調査するためにカルフェオンのカリス議会はマルタ・キーンという有名考古学者を送り研究を進めていた。

 

カルセノフは、ケルカスの体からしておそらく彼もブリの木の遺跡のオーラを受けたのだろうと述べると、「二度とこのような怪物が現れないように、冒険者の力を使って遺跡の実体を明らかにしてほしい」と言った。

 

冒険者は、ブリの森の中でも特に目立つ古代遺跡を一つ発見した。どこか見覚えのある遺跡は、まるで小さな闇の精霊を石で彫ったような形をしていた。冒険者に宿っている闇の精霊も自分に似た遺跡の模様に反応し、自分は古代の人間たちが仕えていた神だったのかもしれないと、鳥肌の立つような笑みを浮かべた。そして、これを確認するためにカルセノフから聞いた考古学者、マルタ・キーンを探してみようと言った。

 

▲ ブリの森の古代遺跡を見た冒険者たちは、マルタ・キーンを訪ねることに。

 

冒険者は、ブリの森の奥深くにあるブリの木遺跡で遺跡調査団を発見した。どこか怯えているようなゴブリン労働者は、冒険者を見ると言葉を詰まらせながら「調査隊を捜しに来たのなら、あそこに見える高い塔に登ってみろ」と言った。

 

ブリの森を一望できる塔の上で、マルタ・キーンは巨大なルーペを持って懸命に何かを調査しているようだった。冒険者は彼女に近づくと遺跡について尋ねたが、マルタは教えられることは多くないとし、遺跡のあちこちに現れる古代兵器のせいで調査が難航していると話した。

 

冒険者の姿を見てすぐに実力のある傭兵だと気付いたマルタ・キーンは、冒険者に古代兵器を処理する仕事を任せた。また、研究のために兵器を処分する際に出る破片を収集してほしいと言った。その言葉を聞いた冒険者は、すぐに塔を降りると遺跡周辺の石のゴーレムやクモなどを倒して研究資料を集めた。

 

▲ 遺跡の高い塔の上で調査中のマルタ・キーン

 

▲ ブリの木遺跡のモンスター、遺跡クモ。これらを退治して資料を収集した。

 

思ったより早く資料を集めてきた冒険者を見たマルタ・キーンは、「やはり実力ある傭兵は違う」と満足げに言った。だが、以前闇の精霊が言っていた「人間は闇の精霊を神として仕えたことがあるか」という質問には「話にならない」と一蹴した。

 

集めた資料の分析にはかなりの時間がかかった。その後マルタ・キーンは、良い成果が一つあったとし、昔からこの遺跡を守るために存在していた「防御施設」について話し始めた。冒険者が持ってきた資料を利用して、その防御施設を稼動する方法を見つけたというのだ。マルタ・キーンは冒険者に今度はその防御装置を解体し、内部の核を持ってきてくれないかと頼んだ。

 

冒険者はマルタから教わった方法で、遺跡近くの防御装置を一つ稼動させた。すると、耳が聞こえなくなるほどの爆音を立てながら地面が鳴り始め、細かな彫刻が施された円形の核が浮び上がると守護塔の形が出現した。さらに守護塔の近くには石の古代守護兵が現れ、中央にある核からレーザーのような赤いエネルギーが放出されると、「侵入者」である冒険者を焼き尽くそうとした。守護塔の強大な威力を目の当たりにした冒険者は、辛うじて一命をとりとめたが、以後かなりの苦戦を強いられた。

 

▲ 作動する遺跡守護塔とその中央にある核の様子

 

▲ 遺跡守護塔から放たれる力によって冒険者は苦戦を強いられた。

 

しかし、冒険者はついに守護塔を崩すと、マルタ・キーンのもとへ動力核を持っていった。深い感謝の意を表したマルタ・キーンは、すぐに研究に着手すると、しばらくして遺跡の全ての動力は地下のある「地点」とつながっていることを突き止めた。

 

しかし問題は、これまで地下の洞窟に入って戻って来た人がいないという事実だった。そのため、洞窟はカルフェオン兵士らが出入りを統制していたが、マルタ・キーンは冒険者なら可能かもしれないと言うと、洞窟のある場所へと案内した。

 

洞窟内の古代兵器を倒していた冒険者は、洞窟の奥深くである古代の遺物を発見した。すると、冒険者についていた闇の精霊がふと「まるで家に帰ってきたように落ち着く」と呟き、満足げな表情を浮かべた。そして遺物に飛び込んでいくと、以前のように遺物の黒い力を全て吸収してしまった。

 

力を吸収してさらに強力になった闇の精霊は、冒険者の表情を見て「オマエは落ち着かないのか?」と言いながらクスクス笑った。冒険者が首を横に振ると、闇の精霊は「じゃあ、オマエにとって居心地のいい場所を探してやろう」と言い、カルフェオンの北部小麦農場へと冒険者を案内した。

 

 

 

▲ 遺跡地下洞窟を守っているカルフェオン警備兵

 

▲ 地下洞窟で発見された古代の遺物

 

▲ 闇の精霊は遺物の力を吸収して冒険者を北部小麦農場へと案内した。


北部小麦農場、ケプラン村

ケプラン村の狂った領主、そしてその娘のオージェを取り巻く秘密

 

 

冒険者は、北部小麦農場でノーマン・レートという農場主に会った。農場を訪れる旅行者をいつもあたたかく迎え入れてくれる彼女は、冒険者に仕事を探しているのかと尋ねると、ディアス農場まで種子の束を配達してくれないかと頼んだ。そうして冒険者は種子の束をディアス農場のエンツォという人物に届けたが、彼は「自分は農場主ではないので隣のレオルド・ディアスのところへ行くように」と言った。

 

レオルド・ディアスはディアス農場の農場主であったが、農場の仕事はせずに絵を描くことだけに熱中していた。彼は種子を持ってきたという冒険者の話にもあまり関心を示さず、「エンツォがうまく処理しただろう」と言い、熱心に絵を描き続けた。

 

冒険者は視線を絵に向けた。ここまで一心不乱に描いているということは、何か重要な絵なのだろうか?するとディアスは「絵に関心があるのか」と言うと、自分の話を楽しそうに語り始めた。彼は自らを「肉眼では見えない美しさを見つけてキャンバスに移す人」だと言った。

 

ところが、「美しい風景画」の話に移った頃、ディアスはふとケプランの物騒な噂について話し始めた。それは、もともと美しい風景を誇っていたケプランの住民たちが、最近は怪物に変わっているという奇怪極まりない噂だった。その後、冒険者は結局「忙しい」ディアスに代わってこの噂を確認してみることにした。

 

 

▲ 一生懸命に種子を配達する冒険者

 

▲ 絵が好きなディアスは、ケプランの噂話を聞かせてくれた。

 

冒険者はディアスから聞いたケプランの「クラム・セサリー」という人物を訪ねた。ディアスのことを「絵描きの農夫」程度に覚えていたクラム・セサリーは、ケプランにまつわる物騒な噂を聞かせてくれた。

 

彼によると、現在ケプランは「石化病」という呪いにかかっており、この病気にかかった人たちは皆全身が石で覆われ、恐ろしい怪物に変わってしまうのだという。そして、特にケプラン鉱山で働く鉱夫たちの間でこのような事態が頻繁に起きていると言った。また彼は、鉱山で黒結晶が発見されてからこの病が流行り始めたのは何とも怪しいと付け加えた。

 

冒険者はこの事実を確認するため、クラムが紹介してくれた労働管理人サーストンに会ってみることにした。あとになって分かったことだが、サーストンは皮肉にもケプラン鉱山のモンスターの労働を管理する「怪物」だった。冒険者に会った彼は流暢に人間の言葉を駆使し、「石化した鉱夫たちが理性を失って他の鉱夫を攻撃しているので、早くどうにかしてほしい」と頼んだ。

 

 

▲ ケプランの怪しい噂は全て事実だった。

 

▲ モンスターの労働管理をするンスター、サーストン

 

▲ 黒結晶の周辺で石化病にかかった鉱夫たちの姿が見える。

 

冒険者が石化した鉱夫たちを処理して戻ると、サーストンは石化病が最初に発見された北側の鉱山を疑った。彼によると、そこで働いていた労働者がこの地下鉱山に来てから石化病が広がり始めたという。

 

冒険者はサーストンの言う通り、ケプラン北部採掘場の看護師フィレアに会って、石化病の近況について聞いてみた。現在のところ、石化病を治療する方法はなく、ただ進行を遅らせる薬が存在するだけだという。そしてフィレアは、この薬の材料となる岩ガニの泡とロックスパイダーの樹液を持ってきてほしいと冒険者に頼んだ。

 

岩ガニとロックスパイダーは、ケプラン採石場周辺の野原に生息している体を岩のように固い皮で覆った特異な生物だった。冒険者はフィレアに言われた通り材料を採取して持って行ったが、彼女の口をついて出たのは「ありがとう」という感謝の言葉ではなく、「早くここから早く出ていくように」という警告の言葉だった。それが冒険者のためだと言うのだ。

 

 

▲ ケプランの石化病を治療している看護師フィレア

 

闇の精霊は、フィレアの生意気な態度に対して怒りをあらわにした。そして、「周りの黒結晶を見ろ、この力を全て手に入れよう」と言った。冒険者が周りを見渡すと、辺りにはたくさんの黒結晶を確認できたが、特に目を引く場所が二ヶ所あった。この力を全て手に入れることができれば、闇の精霊の言う通り、「王」にもなれそうだった。

 

やがて闇の精霊は、ひときわ目立つ黒結晶を一つ選んだ。そして、その力を吸い取ろうと口を大きく開けた。しかし、闇の精霊はすぐに顔をしかめると、全て吐き出してしまった。闇の精霊は、黒結晶の味が変質したと言うと、きっとこれが石化病の原因だろうと話した。そして、石化した鉱夫たちの所持品を調べてでも手がかりを見つけようと主張した。

 

冒険者は、石化した鉱夫だけでなく採掘場に捨てられたガラクタの山まで漁り、手当たり次第に手がかりをかき集めた。そうしてどれくらいの時間が経った頃だろうか。冒険者はついに、怪しい絵が描かれた紙切れを見つけ出した。それはまるでパンと交換するための食券のような形をしており、紙の裏側には謎の「印」が描かれていた。そしてその印は、地図のように何かがある位置を示しているようだった。

 

 

▲ 地面から湧き出た結晶

 

▲ いざよう黒結晶の柱

 

▲ 黒結晶の味が変わった理由を片っ端からかき集めた。

 

絵が示す場所に行ってみると、そこにはレンガでできた幽霊屋敷のような建物があった。屋敷の前にはすでにある調査団が到着していたが、オルゲルトという調査員は冒険者が持ってきた紙を見て、これは以前鉱夫たちに食べ物を配っていたオージェの配膳表だと言った。オージェはケプラン領主の娘だったが、ある日突然消えてしまい、現在は調査団がその行方を捜しているのだという。オルゲルトは、「オージェのことが気になるなら、ケプラン領主のマルコ・ファウストを訪ねてみるように」と話した。

 

冒険者はケプランに戻ると、ケプラン領主マルコ・ファウストのもとを訪ねた。彼は長い銀色のひげを生やした老人で、冒険者がオージェの行方について尋ねると「何を言う。オージェは今、私のそばにいるではないか」と答えた。しかし、冒険者の目には彼のそばを守っている二人の侍女しか見えなかった。

 

マルコ・ファウストは冒険者に対して腹を立て、「これ以上無礼な行動をするな」と叫ぶと、「娘の名前を持ち出してうわごとを言うつもりなら、今すぐ目の前から消えろ」と怒鳴りつけた。

 

▲ ケプラン領主の娘オージェが消えてから廃墟になってしまったオージェの家

 

▲ オージェの行方を尋ねると、おかしなことを言い出したマルコ・ファウスト

 

マルコ・ファウストの怒りに、冒険者は戸惑うしかなかった。オージェがそばにいる?自分の娘であるオージェを侍女にしたというのか?冒険者は理解ができなかった。

 

混乱した冒険者は、ファウストがオージェと呼ぶ侍女に話しかけた。すると彼女は、かなり怯えた様子で口ごもりながら自らを「ティナ」と名乗ったかと思えば、再び「オージェ」と言ったり、マルコ・ファウストを自身が仕える「領主」と言ったかと思えば、今度は「父」だと言葉を変えるなど、つじつまの合わないことを言い続けた。

 

冒険者は彼女と会話ができないことに気付き、隣にいる別の侍女に声をかけた。すると、その侍女も冒険者に対し「なぜ今になってその名を持ち出して平和を壊そうとするのか」と怒りをあらわにした。そして、オージェのことが気になるなら教えてあげるから、聞いたらさっさと帰ってくれと言い捨てた。

 

▲ 極度の不安に陥った様子で口ごもるティナ

 

▲ 冒険者の無礼を怒るファウストのメイド、フィオリ

 

オージェの娘は、ファウスト領主がとても大事にしている一人娘だった。彼女はとても心優しく、ときどき鉱山労働者たちに食事を与えたりしていた。ところがある日、北側の鉱山で謎の爆発が起き、鉱夫たちが石化病にかかり始めると、オージェもまた行方不明になってしまった。そこで領主はオージェを捜すために人を送ったが、彼女を見つけることができずに大きなショックを受けて倒れ、ついには精神が病んでしまったのだった。

 

ファウスト領主がオージェと呼ぶ侍女の正体も、実はフィオリと双子の妹、ティナだった。フィオリとティナは、幼い頃からオージェに似ていると言われてきたが、精神を病んでしまった領主がある時から急にティナをオージェと呼ぶようになっていた。

 

また、狂ってしまった領主は次第に凶暴になっていき、大声を上げたり、手当たり次第に物を投げつけるようになった。ある日、領主が投げた熱いスープをかぶってしまったティナは、顔を長い髪で隠して暮らすようになった。そしてそれ以降、ティナもおかしくなってしまったのか、自分が本当に何者なのか混乱した様子で戯言を繰り返すようになったという。

 

この話を聞いた闇の精霊は「みんなイカれちまったのか」と言いながらクスクスと笑った。するとその瞬間、ティナの視線が闇の精霊がいる方に向いた。本来、闇の精霊は冒険者にしか見えないはずなのに、まさかティナには闇の精霊が見えるのだろうか?

 

▲ ティナに自分の姿が見えるという事実に戸惑う闇の精霊

 

ティナは闇の精霊に「黒い天使様」と語りかけると、確かに「あの日」黒い天使たちが空から大勢で降りてくる様子を覚えていると言った。そして「まだ間に合う」とおかしなことを呟くと、地下にいるトレンという男を捜してほしいと言った。

 

冒険者は突然のティナの反応に驚いたが、ひとまず彼女の言う通りトレンを捜しに行くことにした。トレンはケプランの地下鉱山で働く鉱夫だったが、長い間地下鉱山に閉じ込められていたのか、地上の様子については何も知らないようだった。彼はオージェが失踪し、ティナがオージェのふりをしていると聞くとかなり驚いた様子だった。

 

彼によると、ティナは自身がオージェに出会う前に付き合っていた女性だという。しかし彼女が領主の侍従になると別れ、それから会ったことはないと話した。そしてその後、オージェと出会ったが、領主の娘と鉱夫では身分が違ったため二人の関係を世間が許さず、オージェは自分の部屋に閉じ込められてしまった。

 

ところが、この愛は誰にも止められないと必死で部屋を脱出したオージェは、労働者たちに食事を与えていた小屋でトレンと再会し、他国に逃げることにした。しかし、これを黙って見逃すわけにはいかなかった領主は、人を送って小屋を襲撃した。そこでトレンはオージェだけでも逃げられるようにと近くの黒結晶の鉱脈を爆発させた。その後オージェは姿を消し、トレン自身はこうして身柄を捕えられ、鉱山で強制的に労働させられていたのだった。

 

トレンはここまで話し終えると、冒険者にオージェの無事を確かめてほしいとお願いした。加えてトレンは、オージェとはマルニ農場の井戸で会う約束をしていたので、そこに行けばオージェの痕跡を見つけることができるはずだと話した。

 

▲ オージェと叶わぬ恋に落ちたトレン

 

ところが、マルニ農場にある井戸の跡はすでに廃墟となっており、何も痕跡を見つけることはできなかった。それどころか、周囲には鼻を衝く悪臭を放つ遺跡モンスターで溢れかえっていた。

 

遺跡モンスターは、あらゆる泥とゴミが混じり合ってできた怪生命体だった。闇の精霊は、万が一を考えてこの遺跡モンスターたちを退治しながらオージェの痕跡を探してみようと提案した。そこで冒険者がまるでゴミ箱の中を漁るような心情で遺跡モンスターを退治していると、ついにオージェの日記を発見した。

 

日記には、トレンのことを井戸でいつまでも待っているという内容をはじめとし、いつからか自身の体に少しずつ異変が現れ手足が樹皮のように固くなってきたという内容が書かれていた。さらに最後の方には、「もうここは遺跡モンスターのせいで危険なので、もしこの日記を読んだら農場の北側にある森に来てほしい」という言葉が残されていた。

 

▲ トレンから聞いた井戸の跡でオージェの痕跡は見当たらなかった。

 

▲ マルニ農場の遺跡モンスター

 

▲ オージェは約束した井戸でトレンのことを待ち続けていた。

 

冒険者は日記に残されている通り、マルニ農場の廃墟の北側にあるカルフェオン平原へと向かった。しかし、そこにもやはりオージェの姿は見当たらず、あらゆる木の精霊が森をうろついているだけだった。そこで冒険者は、木の精霊たちを退治しながらオージェの痕跡を探すことにした。すると、大きな宝石がはめ込まれたネックレスが目に留まった。だが、それでもオージェを捜し出すことができないことに変わりなかった。

 

そうしてオージェが見つかるかもしれないという希望がどんどん薄れていった頃、闇の精霊が近くで強力な黒いオーラをふと感じ取った。すると闇の精霊は、オージェが鉱山やこの場所で黒い力を得て怪物になってしまったのではないかと不安がった。そして、この存在が人間の王となる冒険者を阻む前に、早く退治してしまおうと言った。

 

闇の精霊について行った先には、他の精霊よりはるかに大きな木の精霊の姿があった。闇のオーラをたっぷり吸収した愚鈍な木の精霊は、強大な力を吐き出しながらがっしりとした体を伸ばし、冒険者を思い切り殴り飛ばした。冒険者も必死に攻撃を避けながら立ち向かい、闇の精霊の力を使ってついに愚鈍な木の精霊を倒すことに成功した。

 

 

▲ 闇の精霊が感じた闇のオーラを追っていった場所には愚鈍な木の精霊の姿がいた。

 

闇の精霊は、倒れた木の精霊を注意深く観察すると「これはオージェではなく、 ただの年老いた木の精霊だ」と言った。だが、木の精霊を退治したにもかかわらず、おかしなオーラは依然として残っていた。問題は、それが黒いオーラではない、闇の精霊も初めて感じるオーラだということだった。

 

その怪しいオーラを追って辿り着いた先には、神秘的な光に囲まれた白い木が生えていた。色そのものからして普通の木とは異なる存在感を放っていたが、何よりもその木は周囲に心地いい暖かさを与えているようだった。ところがその瞬間、驚くべきことが起こった。その木からかすかな青い光が溢れ出し、人間の女性の形になって冒険者に話しかけてきたのだ。

 

「ああ、あなたは…私を捜しにきてくださったのですね…。もしかして、トレンが送った方ですか?それとも、父が送ったのですか?トレン、父さん…みんな無事でしょう?」

 

「そうですか…私を大事にしてくれたみんなに、辛い思いをさせてしまいましたね。すみませんが、最後にお願いしたいことがあります。ご覧の通り、私はもう人間の姿ではありません。トレンには私が死んだと伝えてください。私を捜すことをあきらめるように。まだ私に何が起きたのか分かりませんが、もうすぐこうして人と話すことすらできなくなるでしょう。私のせいで彼を一生苦しませたくありません」

 

「そして…父にはこれを渡してください。私はもう父のそばを離れますが、どこにいても父を、そしてケプランを守ると伝えてください。ありがとう、親切な冒険者様。私を訪ねてくれて…ケプランを助けてくれて…」

 

▲ 神聖な木になったオージェ

 

▲ 神聖樹の隣に小さな女性の姿が見える。

 

冒険者はオージェの祝福を伝えるために再びケプランに戻り、マルコ・ファウスト領主にこの事実を伝えた。すると領主はようやく正気を取り戻したのか、オージェの名前を呼ぶと涙を流し、自ら娘を死に追い込んだことを反省した。そして、自分とケプランを助けてくれたことに感謝すると言った。

 

正気に戻ったのは、隣にいたティナも同じだった。オージェが死んだという知らせを聞き驚いたティナは、冒険者に自分の罪を告白し始めた。実はティナは、トレンと別れてからもトレンのことが忘れられず、その後トレンが領主の娘と付き合っていることを知って嫉妬した。オージェの娘とトレンが一緒に逃げようとしたことを知ったティナは、結局トレンを許すことができず、これを全て領主に言いつけたのだ。ティナは過去に犯した過ちを反省しながら、冒険者に鍵を突き出した。そして、どうか地下鉱山に閉じ込められているトレンを救って欲しいと言った。

 

一方、トレンはオージェが死んだという事実を聞くと「絶対に信じられない」と号泣した。その様子を見守っていた侍女のフィオリも、オージェが木になってしまったという話は信じられないが、冒険者が戻ってきてから領主とティナが正気に戻ったのは事実だと言い、感謝の意を表した。

 

「時間が必要でしょうけど、いつか、この傷も癒えるでしょう」- フィオリ

 

▲ 正気に戻ったケプラン領主

 

▲ ティナも自分の罪を告白しながらトレンを救出して欲しいと言った

 

 

▲ 最後に感謝を述べるフィオリ


[GMノート] 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #5 - セレンディア地域・下編

[GMノート] 【ガイド】黒い砂漠ストーリー #6 - カルフェオン地域・上編

 

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